内容説明
邪馬壹国説・九州王朝説を発表、その精緻な論証とわかりやすい記述で、歴史学に新たな風を吹き込んだ歴史研究者・古田武彦。恩師との出会い、教師生活から、親鸞研究、『「邪馬台国」はなかった』刊行、「東日流外三郡誌」との邂逅、そして宗教と国家への思索まで…。学界からの無視、いわれなき誹謗中傷との苦闘を越え、ひたすら学究に邁進してきたその生涯を語り尽くす。古田武彦の全て。
目次
第1章 わたしの学問形成
第2章 思想探究への第一歩
第3章 松本深志高校の教師として
第4章 歴史研究の開始
第5章 邪馬壹国と九州王朝説の展開
第6章 東北と南米へのまなざし
第7章 新たな発見の日々
第8章 真実の歴史と人類の未来のために
著者等紹介
古田武彦[フルタタケヒコ]
1926年福島県生まれ。旧制広島高校を経て、東北大学法文学部、日本思想史科において村岡典嗣に学ぶ。長野県松本深志高校教諭、神戸森高校講師、神戸市立湊川高校、京都市立洛陽高校教諭を経て、1980年龍谷大学講師。1984~96年昭和薬科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hyena_no_papa
3
死去2年前刊行の古田氏自身による自伝のような研究史のような本。多くの人との出会いで恵まれた人生だったと回顧するが、議論等で氏と関わった人がこの本を読むとき、どんな感慨を持つか?上田正昭氏からの忠告についても、それに従っていればと思わざるを得ない。古田氏の人生について評するつもりはないが、既に反論を受け否定されたことをまたぞろ持ち出す心性には嫌悪感さえ。特に『東日流外三郡誌』への妄執は奇異である。氏は自身が「シカト」されていると言うが、その有様を知れば当然か。半ば皮肉を込めて古田説賛否双方へお奨めの本。2020/11/16
cosgy
1
古田氏の著作を読むのはこれが5冊目ぐらいか。これは近著の「稗弥呼」と並んで著者の集大成ともいうべきもの。その後の新たな分析も盛り込められて著者の思想がより一層確固たるものになった。




