内容説明
社会構造への新たな視座―関係論的社会学の理論的統合を目指し、「ソーシャル・キャピタル」の価値を見極める。
目次
第1部 社会関係資本と社会学理論(関係論的社会学の伝統;社会ネットワーク論の展開;社会関係資本の概念;社会関係資本の理論的アジェンダ)
第2部 社会関係資本論の展開(関係基盤による社会関係資本研究プログラム;関係基盤から捉える社会関係資本;社会関係資本研究のゆくえ)
著者等紹介
三隅一人[ミスミカズト]
1960年生まれ。1986年九州大学大学院文学研究科博士課程退学。2007年博士(社会学)(関西学院大学)。現在、九州大学大学院比較社会文化研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士さん
4
こっちがバカなだけかもしれませんが、研究は内容を一言で言えないとダメだと言われて来た者としては不満な内容でした。うまくいかなくて、安眠出来なかったというのが納得できる内容です。ただ、リファレンス研究としては使えるものだと思います。社会学の古典的分野であり、今でも魅力的なテーマでありながら、あるのは自明だけどどうあるのかが分からない実証性の問題で研究対象としては取り上げにくくなっているコミュニティ論と、同様な性質のある社会関係資本論を接続して解決しようと苦労する過程は、結果意義ある文献案内になっています。2020/06/22
ぷほは
3
再読。ネットワーク理論を概括するのにこれ以上の良書を知らない。以前読んだときは「信頼」概念の掘り下げがないことが不満だったが、今読むと下手にそこに手を出して哲学方面に行くのではない、地に足のついたミクローマクロリンクの一貫性が堪能できる(ルーマン『信頼』が倫理学者によって訳されていることを想起)。構造的空隙やネットワークの閉鎖性の復習になったし、また著者の概念である「関係基盤」の議論も面白い。沖縄のリターン自営業者の調査という経験的手堅さと理論的挑戦の合わさった記述は現代社会学のスタンダードとして読める。2018/04/05
客野
1
大学の教科書として読んだが、正直かなりの部分が呑み込めなかった。難しい。人間(じんかん)を科学的に捉えることがこれほど複雑だったとは。再読必至2016/10/12
ぷほは
0
概括的な本だが、同時に著者の立場も鮮明に打ち出されている。とは言えSC関係では重要な「信頼」についての議論はほぼ触れられていないなど、理論統合というよりは広大な研究領域の中の一冊として位置づけたほうがいい本。2014/07/26
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