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内容説明
なぜ「いじめ」は見えない、語られないのか。大津市の事件にみられるように昨今のいじめは、従来の「いじめ」とは異なった様相を呈しているようにもみえるが、本当にそうなのか。最初の「いじめ」研究ともいえる『いじめ―教室の病』を著した著者が、いじめを「広がり」と「深さ」でとらえ、事例と調査結果を用いて「文科省定義」ではとらえきれない、いじめの実態を具体的に描き出す。現実に沿った新しい定義を考えるとともに、その防止策を探る。
目次
第1章 言葉「いじめ」の定義を考える
第2章 いじめの源流を考える
第3章 いじめの心の本質を考える
第4章 いじめ3層世界を考える
第5章 深層いじめ世界の暗部を考える
第6章 深層いじめはどうやって誕生し成長したかを考える
第7章 いじめと闘う
著者等紹介
清永賢二[キヨナガケンジ]
1943年生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了。警察庁科学警察研究所防犯少年部環境研究室長及び初代犯罪予防研究室長を歴任。その間に警察大学校、最高裁判所調査官研修所等で講師。日本女子大学教授、日本女子大学市民安全学研究センター長、日本女子大学客員教授を経て現在(株)ステップ総合研究所特別顧問。この間に東京大学客員教授、ロンドン大学客員研究員、安全なまちづくり内閣総理大臣賞選考委員等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
16
図2 いじめ3層世界は、三角定規のような感じで 深層、中層、表層とある(23頁)。 具体例は第4章にある。 例えば、年齢が上がるにつれて、 深層いじめに深化していくようだ(87頁)。 最終的に、自殺へ追い込む悪質さが否めない。 言葉「いじめ」はある(28頁~)。 「お前には最初から社会的信用などない」とノタマッタ 学校職員がいた。忘れられない言葉である。 学校職員というのが全く理解不能なのであるが。 いじめが、人間という動物である以上、獣心がコアにあるようだ(63頁の図1)。 2014/04/06
Humbaba
10
いじめのない世界。それは非常に素晴らしいものである。可能であればそのような世界を作り出すことが最も良い。しかし、残念ながらそれを実現させることは不可能であろう。いじめは決してなくならない、ということを認識した上で、その上でどうするかを考えていくのが現実的な手といえる。2013/09/23
星辺気楽
2
警察関係者ということで、今までのいじめ問題にはない切り口で、目からうろこの内容が多く面白かった。いじめはけっしてなくならないという考えには大いに共感できる。現在の「いじめをなくそう!いじめは絶対悪!いじめをゆるさない!等々」の空虚なキャンペーンで誤魔化そうとする教育界の安易な姿勢には一石を投じるような良書。2013/09/17
まりも
0
いじめをなんとかしたいという熱意は伝わってくるけどわりとぽやんとした内容。いじめを十把一絡げで捉えてはいけないとか、待つことの教育とか、そのあたりはとても納得できた。いじめと復讐心については今後考えていきたい課題だ。2014/01/06
ottohseijin
0
『いじめ3層最深部の深層いじめは、大胆にいうなら、学校関係者を中心に「非行」とラベルを貼ることにためらいあるいは罪の意識を抱くことにより「いじめ」と呼び、問題を先送りしようとした結果である』2013/11/03