内容説明
経済学と美学との対立。アートへの公的な財政支援は必要か否か、多彩な事例とさまざまな論点から迫る。
目次
第1章 対立するふたつの視点(美学と経済学;共約可能性の問題 ほか)
第2章 間接的な助成―アメリカのシステムの特質(寄付と税制;アメリカの財団法人 ほか)
第3章 直接的な助成―それらは保守的すぎるのか(直接的な財政支援の進化;ニューディール政策 ほか)
第4章 著作権と分散化したインセンティブの未来(著作権は本当に消滅しつつあるのだろうか;象徴・シンボルへの愛 ほか)
第5章 美しく、かつリベラルな未来に向けて(助成金について、どの主張が検討に値するのか;分散化論にはどのような美学的主張があるのか、あるいは芸術とは何か ほか)
著者等紹介
コーエン,タイラー[コーエン,タイラー] [Cowen,Tyler]
1962年生まれ。1983年ジョージ・メイソン大学卒業。1987年ハーバード大学で経済学博士号を取得。現在、ジョージ・メイソン大学経済学教授、同大学マーケイタス・センター所長、公共選択研究センター員
石垣尚志[イシガキタカシ]
1973年大阪府生まれ。2002年中央大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、東海大学文学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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私たちは価値を直接目標とすべきである(16頁)。科学は価値中立であるべき、というのは社会学の一理論だが、文化を議論する際には価値からは離れることはできない。芸術家は優れたアートを創造するにもかかわらず、なぜ、貧乏なのか? 有名になるのは死後の芸術家は生前、なぜ評価されなかったのか? いろいろと考えながら読むとよい。果たして、日本の文化政策がアメリカ人の手によって英語で翻訳される、という逆のパターンは出てくるだろうか? そんな疑問をもったが、2020年の東京五輪や和食の無形文化遺産を契機に関心が出るとよい。2014/01/25
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