内容説明
万葉の時代から近代までの文学・文化を、日常生活の様々な事象に落とし込みながら、魅力ある語り口で書き綴る。著者の生い立ちも盛り込まれ、著者独特の世界観へと読者を誘い、惹き込む。
目次
1 人生あをによし―博多、東京、そして奈良(おら九州男児ばい!;無資産、無借金、無一物 ほか)
2 書淫日記―万葉集から阿部定まで(天平サラリーマン・エレジー、万葉の世界から;国土の起源を語る神話 ほか)
3 学者修業覚え書―感性から思惟へ(異邦人の目に学ぶ;歴史的事実と心の真実 ほか)
4 古典おもしろ第一主義―それでも古典をと言いたい(私は古典おもしろ第一主義でいきます!;旧聞日本橋、異聞 ほか)
5 妄語妄想―バルタン星人からオペラまで(店主口上;日々のため息から ほか)
著者等紹介
上野誠[ウエノマコト]
1960年、福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。現在、奈良大学文学部教授(国文学科)。博士(文学)。研究のテーマは、万葉挽歌の史的研究と、万葉文化論。第12回日本民俗学会研究奨励賞受賞。第15回上代文学会賞受賞。歴史学や考古学、民俗学を取り入れた万葉研究で、学界に新風を送っている。著書に『魂の古代学―問いつづける折口信夫』(新潮社、2009年、第7回角川財団学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あいくん
12
☆☆☆上野誠さんの故郷は福岡県です。生まれは朝倉市で、福岡市の高宮で育っています。大濠高校卒業です。「斉明天皇の朝倉宮の近くで生まれ、大津皇子が生まれた那の大津の近くで育ちました」と語るそうです。いまは奈良に住んで奈良大学で万葉集を教えています。万葉集のふるさとの奈良で万葉集を教えられるというのは幸せなことです。この本は2013年に出ました。短いエッセイがたくさん収められています。仏像の展覧会が各地の美術館や博物館で開かれますが、仏像は寺で見るのが良いと上野誠さんは言います。2019/10/07
kenitirokikuti
6
図書館にて。奈良大の文学部教授、万葉学者の上野誠氏のエッセイ。巻頭の「人生あおによし」(朝日新聞奈良版2013年1〜2月掲載)は刊行直前のもの。「学者主義覚え書」は奈良新聞1995/6年に月イチ掲載、奈良大助教授になる前年のもの。表題にもなっている「書淫日記」は2009年に『魂の古代学 問いつづける折口信夫』が角川財団学芸賞受賞の年。その他、単発の記事(おおむね新聞)▲生家は秋月藩の商家(呉服屋)だったそうな。昭和40年以後家は傾く。祖父柘植六郎は宮沢賢治の歌に出てくる「苺畑の柘植先生」だそうな2022/11/08
おらひらお
4
2013年初版。最近編集された『万葉考古学』が面白かったので、上野誠さんシリーズで読み進めている途中で出会った本。人生あをによしは学生さんに読んでもらいたいですね。2023/04/23
Shoji
3
エッセイなので何を書いても自由。なので、色々、雑駁なことが綴られていました。所々、ちょうど読者が飽きてきた頃合いにキラリと光るストーリーが挿し込まれてて、絶妙。まぁ、楽しく読めました。2015/04/21
kan
0
本人あとがき通り、「二流の物書きの二流のエッセイ集」。妙に啓蒙したがる自慢バカに辟易。読者はあなたが思うほど蒙昧ではありません。2013/07/27