内容説明
現在、先進国および新興民主主義国で進展している、福祉政治の新しい展開とはどのようなものか。本書は多様なアプローチによる複数事例の比較を通して、この新しい福祉政治の実態を明らかにすることを試みる。
目次
1 日欧年金改革における福祉改革と福祉政治―比較事例分析からの接近
2 新興国における年金改革に関するアイデアと言説の政治―南アフリカとアルゼンチンの事例
3 福祉国家改革の非難回避政治―日英公共扶助制度改革の比較事例分析
4 政党競争空間の変容と福祉再編―先進工業18カ国における子育て支援施策の比較分析
5 ラテンアメリカにおける年金制度「再改革」―第一世代改革後の制度変容の視角から
6 医療制度改革の比較政治―日本・米国・英国における医療の標準化をめぐって
7 オーストラリアとニュージーランドにおける福祉国家再編―分岐と収斂をめぐるダイナミズムの考察に向けて
8 スウェーデンとフランスにおける脱家族化への家族政策の転換