内容説明
本書は、当時を知る各国の関係者から詳細な聞き取り調査を行い、また貴重な文献資料をひも解くことによって、戦争をはさむ激動の満洲に存在したロシア人社会の様子と、運命に翻弄された人々の数々の劇的なドラマをたどる。とくにハルビンやロマノフカ村、三河コサック村などに焦点を当て、そこに明らかにされるロシア人たちの日常やその経済活動、信仰生活、満洲国との関係、再移住過程、日本人との交流などから、彼らの細やかな暮らしぶりが多面的に探究される。
目次
満洲国建国時のロシア人の動向
1 満洲のロシア人社会(ハルビンの白系露人事務総局の活動;地方の白系露人事務局の活動;ハルビンのロシア人亡命者たちの一九三三年―露字新聞『ザリャー』の記事から)
2 ロマノフカ村周辺(日本人が描いたロマノフカ村―出会いと表象;旧住民が語る満洲古儀式派村の暮らし;証言によってつづるロマノフカ村の戦後)
3 三河地方のコサック社会(日本人が見た三河コサック村―一九三〇年代~一九四五年;ロシア側資料に見る三河コサック村の生活;三河地方の製酪消費組合)
4 満洲におけるロシア正教会およびユダヤ人社会(満洲国正教会;ハルビンのユダヤ人社会)
戦後満洲のロシア人
著者等紹介
阪本秀昭[サカモトヒデアキ]
1948年奈良県生まれ。1972年天理大学外国語学部ロシア学科卒業。1974年早稲田大学大学院文学研究科修士課程(西洋史専攻)修了。現在、天理大学国際学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 洋書
- Ambushed