内容説明
戦後、怒濤のごとく輸入された英米国際政治学の陰で見失われ続けた欧州国際政治論の源流とも本流ともいうべきランケ以来のドイツ国際政治史学。その非対称な関係によって、今やわれわれは「普遍主義」や「勢力均衡」など、国際政治の基本テーマに対する普遍的な認識を喪失している。本書では、普遍主義・外交的自律性・国際体系といったドイツ国際政治史学の基本概念を駆使しながらドイツ語圏の歴史家を中心に展開された議論を丹念に検証し、さらに英語圏の国際政治論と比較しつつ論を展開することで、混迷を深める現代国際政治への普遍的視座を提示する。
目次
第1章 ドイツ的国際政治観とは何か
第2章 レオポルト・フォン・ランケの国際政治観―ドイツ国際政治思考の自律性の起源
第3章 戦後西ドイツ外交史学の国際政治観と「外交的自律性」―クラウス・ヒルデブラントの所論を手がかりに
第4章 ポスト冷戦期におけるドイツ的国際体系論―歴史的文脈と思想
第5章 ポスト冷戦期の近世ヨーロッパ国際政治論
終章 自律的な国際政治思考の確立に向けて
著者等紹介
大原俊一郎[オオハラシュンイチロウ]
1975年広島県生まれ。2000年早稲田大学法学部卒業。2012年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、博士(人間・環境学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科研修員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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