内容説明
多用な生物種は、さまざまな関係性をもって生きているが、とくに不可分離の関係にあるものを共生と呼ぶ。本書では微生物から動植物にかけての生物界における共生を具体的に紹介しつつ、日本古来の「共に生きる」(ともいき)精神と対比させながら人と自然の共生について考える。
目次
序章 共生―伝統的な日本語と生物学の学術用語(生物学用語の共生;人と自然の共生―「ともいき」とも読む日本語の共生)
第1章 微生物の生態(自然系の微生物研究の流れ;環境中の微生物の存在形態;培養不能細菌;自然界の微生物のメタゲノム解析;陸上生態系と土壌)
第2章 共生のパートナーとしての微生物(共生のかたち;植物に内生する細菌;アーバスキュラー菌根;外生菌根;マメ科および非マメ科植物と根粒菌の共生)
第3章 植物と動物にみる共生(共生―双利共生、片利共生、寄生;陸上植物の進化と共生;細胞共生と収斂進化;共進化と共存;生命系の生)
第4章 共生系と環境保全(植物による汚染環境の修復と共生微生物;荒廃地の修復と環境保全)
第5章 人と自然の共生(日本人の伝統的な生き方と共生;列島の開発と日本人;人間と自然の共生とは)
著者等紹介
岩槻邦男[イワツキクニオ]
1934年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(植物学)。東京大学名誉教授。現在、兵庫県立人と自然の博物館館長
仁王以智夫[ニオウイチオ]
1934年生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学)。元静岡大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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