内容説明
公共政策学について、歴史と理論の両面から迫るテキスト。政治学科の学生のみならず、政策研究を志す学部生・大学院生必読の一冊。
目次
第1部 歴史研究と理論研究の架橋の試み(公共政策の歴史と理論とは何か?;戦後行財政改革の歴史と理論―歴史研究と理論研究の架橋の試み)
第2部 公共政策の形成と展開(医療政策の形成と展開;警察行政の形成と展開;環境・エネルギー政策の形成と展開;消防・防災政策の形成と展開;自治・分権政策の形成と展開;宗教政策の形成と展開)
第3部 現代公共政策のフレームワーク(討議民主主義理論と公共政策;不確実性の政策過程モデル;歴史的新制度論;政策アイデアのモデル;政策評価論;政策転換論;政策移転の処理論―政策移転、政策波及、政策収斂、教訓導出の統合モデル)
著者等紹介
大山耕輔[オオヤマコウスケ]
慶應義塾大学法学部教授、博士(法学)
笠原英彦[カサハラヒデヒコ]
慶應義塾大学法学部教授、博士(法学)
桑原英明[クワバラヒデアキ]
中京大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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d0g_ville
6
それぞれの章で、多様な領野において理論や事例の紹介が行われるので、入門書の中では非常に学術的レベルとして内容が濃い。複数の著者が執筆にあたっているという性質上仕方がないかもしれないが、第Ⅱ部の7分野それぞれにおける過去の政策研究と、第Ⅲ部の理論研究との間の懸隔が架橋しきれていないという感覚が拭いきれない。理論と政策研究の棲み分けを明確にするための構成なのだろうが、第Ⅲ部の理論研究の際に、第Ⅱ部の事例を援用するといった方法を採ることもできたように思われる。2013/12/09
Moloko
2
公共政策学に関した議論や、公衆衛生や警察などのいくつかの政策分野の歴史的な実証や、熟議民主主義や政策転換・波及などの主な理論を紹介した本。公共政策学の体系的な解説ではなく、重要と思われるトピックに絞ったもので、行政学の延長的な公共政策学の教科書とは違って飽きにくいとは思う。2016/12/18
hibiku
1
警察行政、消防・防災、宗教政策の歴史が入ってるのが面白かったが、理論と歴史を両方を扱うには、300pはちょっと少なすぎたのかもしれない。第三部はほぼ理論編だったけれど、『公共政策学の基礎』辺りの入門書と大差ない内容だった。各章の論者がそれぞれ歴史と理論を別個に論じている感じかな。2013/09/10