内容説明
グローバル化によって国民国家の役割が大きく変質していく中で、近年改めてネーションやナショナリズムの意義が問い直されている。本書は、このような状況を踏まえて、このところ議論の対象にされることが多い「リベラル・ナショナリズム」に注目し、その理論的立場を国際比較的な観点から批判的に検討することで、21世紀の政治と政治理論に一定の寄与をなすことを目指す。
目次
第1部 リベラル・ナショナリズムとは何か(「リベラル・ナショナリズム」の問題圏―「ルソー問題」の視角から;「リベラル・ナショナリズム」という問題;フランス共和主義とリベラル・ナショナリズム―ドミニク・シュナペールの政治理論をめぐって)
第2部 ネーションの内と外(普遍主義とナショナリズム―「ドイツ・ナショナリズム」の系譜とその思想的可能性;リベラル・ナショナリズムとしての移民同化論―アメリカ合衆国の場合;リベラル・ナショナリズムの教育論―D・ミラー、W・キムリッカ、Y・タミールを比較して;リベラル・ナショナリズムの世界秩序構想―D・ミラーの議論の批判的検討を手がかりとして)
第3部 近代日本におけるデモクラシーとナショナリズム(三宅雪嶺の有機体的国家観と対外認識;矢内原忠雄における民族論とナショナリズム;民族の哲学とは何だったのか―高坂正顕からの問い;戦後日本の「リベラル・ナショナリズム」―長谷川如是閑の視角から)
第4部 アジアからの応答(徐載弼とリベラル・ナショナリズム;中国におけるリベラル・ナショナリズムの源流―辛亥革命期を中心に;吉野作造の民本主義論)
著者等紹介
富沢克[トミサワカツ]
1948年京都府生まれ。1976年同志社大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。現在、同志社大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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