内容説明
複雑化した現代社会においては、様々な専門性を活用することなしには有効な政策決定は難しい。その一方で、専門家への依存は、民意を主とするデモクラシーとは相反することがある。専門性とデモクラシーとの間には相克と和解の両面が存在するのである。本書は、専門性とデモクラシーの関係の多義性に配慮しつつ、比較の視座や歴史的視座に基づき先進諸国の政策決定を分析することを通じ、政治における専門性の役割を解明する試みである。
目次
第1部 総合論からみた専門性(専門性の政治学に向けて―デモクラシーと専門性の関係を軸に;専門性研究の再構成)
第2部 政治体制のなかの専門性(日英の経済政策形成と専門性の役割―政府エコノミストを中心として;権力からの逃走?―イタリア戦後体制の形成とテクノクラート政治;EUにおける専門性とテクノクラシー問題―コミトロジーとデモクラシーの関係をめぐって)
第3部 政策過程のなかの専門性(医薬品行政における専門性と政治過程―合意形成が困難な行政領域での役割;日本の金融検査行政と「開かれた専門性」―その態様と可能性;専門家の国際ネットワークと金融交渉―日米政府間交渉における「専門家」の権限)
第4部 デモクラシーと専門性(ブレア・スタイルとデモクラシーのゆくえ―強大な首相権力にみるトップダウンの影響;専門性とデモクラシーの文脈化―発展と変容)
著者等紹介
内山融[ウチヤマユウ]
1966年生まれ。1990年東京大学法学部卒業。2000年博士(法学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授
伊藤武[イトウタケシ]
1997年東京大学法学政治学研究科大学院修士課程修了、修士(法学)。現在、専修大学法学部准教授
岡山裕[オカヤマヒロシ]
1972年生まれ。1995年東京大学法学部卒業。2004年博士(法学)、東京大学。現在、慶應義塾大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 急性一過性精神病