内容説明
『東日流外三郡誌』が語る世界。一級史料との出会い、真偽論争、そして「寛政原本」出現…。「偽書」論に終止符を打つ論考を加え、満を持して復刊。
目次
第1章 多賀城碑探究
第2章 多賀城碑再考
第3章 日本中央碑の思想
第4章 東日流外三郡誌への旅
第5章 東日流外三郡誌との出会い
第6章 東日流外三郡誌を問う
第7章 アイヌとストーン・サークル
第8章 最上川と御神楽岳と鉄
第9章 歴史の踏絵―東北王朝
付録 その後の『東日流外三郡誌』
日本の生きた歴史(十)
著者等紹介
古田武彦[フルタタケヒコ]
1926年福島県生まれ。旧制広島高校を経て、東北大学法文学部、日本思想史科において村岡典嗣に学ぶ。長野県松本深志高校教諭、神戸森高校講師、神戸市立湊川高校、京都市立洛陽高校教諭を経て、1980年龍谷大学講師。1984~96年昭和薬科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にしの
5
なんだか読みづらくて、拾い読みのような感じ。著者の推察が本当に正しいのかはわからないけど、江戸時代の津軽に代々引き継がれてきた一族伝来の秘蔵の書を読み解いて、当時最先端の学説を残した人がいたというのはロマンがある。ビッグバンを祖神である「荒覇吐魂」と書いてる所とかおもろかった。縄文時代の稲作の話、意外と出雲国の交易範囲が広くて北朝鮮やウラジオストクまであったんじゃないかとか、佐賀と蝦夷の古墳の出土品が同じものとか、日本書紀で夷は「愛濔詩」だったとか、へえーって思うところがあった。大和だけが国ではなかった。2025/03/23
A.Sakurai
2
「偽書「東日流外三郡誌」事件」を読んだので真書派から一冊.古田武彦さんといえば大昔に「邪馬台国はなかった」を読んだことがあるぐらい.あれは面白かったが,本書ではあれを含めて自説が受け入れられないことの恨みつらみが述べられていたり,学術的なことより精神論や陰謀論が先行したりでトンデモパターンが強い.「東日流外三郡誌」真贋の検討では偽書にしてはおかしいところがあるというかなり苦しい擁護論.2012年の復刊なので寛政原本の公開についての付録が付いており,これが目玉だろう.う〜ん私の目じゃ筆跡は分からないな.2015/08/30