内容説明
明治維新の最大の功労者、西郷隆盛の実像はいかなるものであったか。本書では、従来注目されてこなかった西郷の体調不良に関心を払い、征韓論政変が勃発するに至った背景を探る。また西郷のストレス源をたどる過程で改めて浮かんだ幕末政治史最大の課題、すなわち薩長両藩が武力倒幕を決意したのはいつの時点かについての解明にも取り組み、最終的に薩長両藩対徳川勢力という対立の構図(薩長連合史観)の克服を目指す。
目次
第1部 西郷隆盛の体調不良とストレス源(西郷隆盛の体調不良と「明治六年政変」;西郷隆盛のストレス源)
第2部 慶応期の中央政局と薩摩藩(薩長盟約と西郷隆盛;慶応二・三年の政治状況と薩摩藩;「台湾出兵」方針の転換と長州派の反対運動)
著者等紹介
家近良樹[イエチカヨシキ]
1950年大分県生まれ。1973年同志社大学文学部卒業。1982年同志社大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。中央大学博士(文博乙第9号)。現在、大阪経済大学経済学部教授(幕末維新史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
2
15-70 貴重本 ‘09~学術誌連載の書籍化 『大阪経大論集』 亡君・斉彬への忠節、そして久光からのストレス…喫煙 タバコの吸い過ぎ。胸痛、脳痛、下痢…明治維新最大の功労者、西郷隆盛の実像はいかなるものであったか。従来注目されてこなかった西郷の体調不良に関心を払い、謎多き彼の行動の背景を徹底的に解明する。もっとも伊藤博文も同 木戸も同・・・2011/10/04
きさらぎ
0
明治6年政変(Ⅰ部)、薩摩を中心とした幕末の政局(Ⅱ部)、征台について(補論)の論文を収める。それぞれは関連はしているが独立して読めるので、興味のあるところだけ読むのもよいと思います。論の可否について論じる能力は私にはありませんが、偉人としての西郷や、いわゆる薩長史観?から距離を取ろうとする筆者の姿勢は、この時代を理解する上で参考になるのではという気がします。2012/08/30
楽人
0
今までの通説と異なる説?2011/12/26