内容説明
本書では、強迫症状にいたる心理的メカニズムを検討し、予防的介入に役立つ知見を示す。強迫傾向と強迫的信念それぞれの因子構造および、強迫傾向と強迫的信念の関連について日中比較を行い、文化的要因の関与とともに文化を超える強迫傾向の一般的特徴を明らかにしている。また、多母集団同時分析や平均構造モデル分析などの実証的方法を用いている点もこの研究の特長である。
目次
第1部 研究の展望(強迫性障害に着目する背景;強迫性障害の予防の意義と課題 ほか)
第2部 親の養育態度が強迫傾向に影響を与える心理的メカニズムの検討(強迫傾向尺度の作成(研究1)
中国における強迫傾向と親の養育態度との関連(研究2))
第3部 強迫的信念と強迫傾向の相互関連に関する日中比較(強迫的信念尺度の中国語版および強迫傾向尺度の日本語版の作成(研究3)
強迫傾向と強迫的信念の因子構造の日中比較研究(研究4) ほか)
第4部 統合的モデルの検討(強迫的信念、親の養育態度、強迫傾向の関連―媒介モデルの検討(研究6)
強迫傾向と強迫的信念の関連の縦断的検討(研究7))
第5部 結論(強迫症状にいたる心理的メカニズムと予防介入への示唆;今後の課題と研究の発展)
著者等紹介
下山晴彦[シモヤマハルヒコ]
1957年生まれ。1983年東京大学大学院教育学研究科博士課程中退。東京大学学生相談所助手、東京工業大学保健管理センター専任講師などを経て、東京大学大学院臨床心理学コース教授。博士(教育学)、臨床心理士
李暁茹[リギョウジョ]
1978年生まれ。2001年中国河北大学外国語学部卒業。2004年東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース修士課程修了。2008年東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース博士課程修了。現在、中国復旦大学(Fudan University)社会発展公共政策学院心理学科専任講師、東京大学大学院教育学研究科研究員博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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