内容説明
若き頃日本へ留学、東洋人のアイデンティティを模索しつつ、日本文学を愛した周作人。古代ギリシアと出会い、西欧の人文精神にもふれて、やがて中国屈指の大作家へ。後に対日協力者という苛酷な運命を背負い、時代に翻弄されながらも、彼の文学は人間と歴史への深い洞察と独特な哀感を湛え、今も多くの読者を惹きつけている。近代激動の百年を生き抜き、日本と中国とを結ぶ精神史ともいえる彼の生涯を膨大な資料を駆使して丹念に描く。著者二十五年にわたる研究の集大成。
目次
第1章 作家の誕生―一八八五‐一九一七(和尚転生;新台門の周家 ほか)
第2章 円熟と沈潜―一九一七‐一九三六(古都の風貌;紹興県館 ほか)
第3章 煉獄―一九三六‐一九四九(戦争前夜の「日本論」;禁書を読む ほか)
第4章 晩年の歳月―一九四九‐一九六七(北京へ帰る;売文家 ほか)
著者等紹介
劉岸偉[リュウガンイ]
1957年北京に生まれる。1982年北京外国語大学卒業後、北京大学大学院東方言語文学系を経て来日。1989年東京大学大学院総合文化研究科比較文学・比較文化博士課程修了。学術博士(東京大学)。札幌大学助教授を経て、東京工業大学外国語研究教育センター教授。著書に『東洋人の悲哀―周作人と日本』(1992年度サントリー学芸賞、河出書房新社、1991年)、『小泉八雲と近代中国』(第4回島田謹二記念学藝賞、岩波書店、2004年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
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15-133 若き頃日本へ留学し、東洋人のアイデンティティを模索しつつ、日本文学を愛した中国屈指の大作家、北京大学教授、周作人。近代激動の100年を生き抜き、日本と中国とを結ぶ精神史ともいえる彼の生涯を、膨大な資料を駆使して丹念に描く。明治の女性は世界一だった。肌は凝タマノ脂ハダのように滑らかで、髪は漆のように黒い。…巷では多くは古の装束である。7.8歳はおさげで長ずると、耳輪をつけず、腕輪もつけず、質素で卑しくない。2012/02/08
takao
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ふむ2018/09/24