内容説明
近代日本の「右翼」思想家の代表的な存在とされる北一輝。しかし、彼の思想は、「右翼」というイメージに限定されない複雑さを有している。「革命者」を自称した北が思い描いた「革命」とは、はたしていかなるものであったのか。本書では、従来の研究とは異なる視点から「アジア」を中心とする北の対外認識に焦点を当て、それを手がかりにして彼の「革命」論の全体像を浮き彫りにする。
目次
序章 「革命者」北一輝―本書の課題と視角
第1章 「アジア」への関心の源流―初期論説と『国体論及び純正社会主義』を中心に
第2章 中国革命への転進―「変説」をもたらしたもの
第3章 北一輝と「満州」―『支那革命外史』における議論を中心に
第4章 「国家改造」をめぐって―『国家改造案原理大綱』と自筆修正版『国体論及び純正社会主義』
第5章 昭和の北一輝―対外問題への関与と「国家改造」
終章 「革命」の理想と現実
著者等紹介
萩原稔[ハギハラミノル]
1974年神戸市生まれ。2004年同志社大学法学研究科政治学専攻博士後期課程修了。博士(政治学)。現在、同志社大学嘱託講師、大阪成蹊大学・阪南大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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