内容説明
本書は、グローバリゼーションをキーワードに、“同時代”つまり“いま=ここ”における人間と社会のかかわりを理論的に解明する。グローバリゼーションは、社会変動論・社会構造論にどのような変革を迫り、さらにまたヴェーバーの学説に対してもどのような解釈替えを迫るのかが、根底的に議論されている。
目次
プロローグ 同時代認識のための社会学理論
1 グローバリゼーションとマクロ・インタラクショニズムの展開(ポストモダンとハイブリッドモダン;グローバリゼーションと社会学変容の三段階;「全体社会」から「マクロ社会」へ;整合的規則からハイブリディティへ)
2 グローバリゼーションとヴェーバー理論の変容(アジア社会論;官僚制の類型学;社会学における影響力の始まりと終わり)
エピローグ ヴェーバーとグローバリゼーション
著者等紹介
厚東洋輔[コウトウヨウスケ]
1945年生まれ。東京大学大学院社会学研究科後期課程中退。博士(人間科学)。大阪大学大学院人間科学研究科教授を経て、関西学院大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
2
再読。前半部がどうも新しい事を言っている気がせず、あまりいい本ではないと感じていた自身の認識を改めることになった。著者には大学院入学当時少しのあいだだけその知性に触れる機会を持てたのだが、学説の退屈さを圧倒的な教養と粘り強い読解、そして何といってもその温厚な人柄によって粉砕する、本物の人文学者の姿を私に初めて目の当たりにさせた。本書で言えば6章の「官僚制の類型学」こそがその本領となっており、ウェーバー研究の射程とグローバル化の世界史的変動を抱えた現代社会の華僑を果たすための、見事な準備作業が行われている。2017/08/27