内容説明
グローバリゼーションが経済的・文化的側面に与えるインパクトを視野に入れ、地域という視点に立って、アジアにおける紛争を取り上げる。環境、貧困、文化、教育、ジェンダーとその対象は多岐にわたるが、そうした“見えない紛争”に焦点をあて可能性を探る。
目次
第1部 経済のグローバル化(経済のグローバル化と環境・資源・貧困;グローバル時代における環境・資源と農業開発―フォーディズムとニッチズム;紛争が金利と為替レートに与える影響の数量分析―スリランカの時系列データをもとに)
第2部 周辺地域の社会経済(森林の保全と利用の矛盾と紛争―タイ森林政策史を中心に;開発フロンティアにおける資源管理とコンフリクト;東北タイ農民にみる地域知―ある貧困削減のあゆみ;中国の貧困と格差問題の変遷)
第3部 グローバル化における人間の移動とジェンダー(東南アジアにおける労働移動の統制―地域経済連携協定を通じて;高齢社会日本と在日フィリピン人介護士―介護現場における「協働」;海外就労するマニラのムスリム女性の生活戦略;『ジェンダー・トラブル』再考―文化による汚染の観点から)
第4部 アジアにおける文化摩擦と解決案(現代日本社会の多元的共存への可能性―教育の鍵;新自由主義的教育政策と競争パラダイムの固定化;コンフリクトの中から誕生した『菊と刀』―紛争解決へ貢献;ルース・ベネディクト『菊と刀』をめぐる東アジア地政文化 ほか)
著者等紹介
ケント,ポーリン[ケント,ポーリン][Kent,Pauline]
1960年生まれ。1988年大阪大学大学院人間科学研究科学術修士号取得。現在、龍谷大学国際文化学部教授
北原淳[キタハラアツシ]
1941年生まれ。1966年東京大学経済学部卒業。1991年経済学博士(東京大学)。アジア経済研究所・神戸大学・名古屋大学勤務を経て、龍谷大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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