目次
ブロンテ姉妹の生涯
第1部 作品鑑賞(初期作品;ブロンテ三姉妹の詩にみる光景;『教授』;『ジェイン・エア』;『嵐が丘』;『アグネス・グレイ』;『ワイルドフェル・ホールの住人』;『シャーリー』;『ヴィレット』)
第2部 ブロンテ文学の特質(シャーロット・ブロンテ論―願望充足と女性自立の文学;エミリ・ブロンテ論―伝記的事実を背景に;アン・ブロンテ論;ブランウェル・ブロンテ論;ブロンテとオースティン;ブロンテとギャスケル)
ブロンテ・カントリー
著者等紹介
内田能嗣[ウチダヨシツグ]
大阪大学文学部(フランス文学専攻)卒業。大阪市立大学大学院文学研究科博士課程(英文学専攻)修了。帝塚山学院大学文学部長、副学長、関西外国語大学大学院教授を歴任して、現在、帝塚山学院大学名誉教授。日本ブロンテ協会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
378
ブロンテ姉妹が過ごした風土や時代など、伝記的なものを期待していたのだが、作品論が中心だった。また、執筆者の数が多く(おそらくはブロンテ協会等の研究者集団の人たちだろう)したがって、文体や力量にバラつきが目立つようだ。これからブロンテ姉妹の作品を読む(さすがに『嵐が丘』は既読)身としては、作家論の部分が最も読みごたえがあった。一言でブロンテ姉妹とはいうものの、彼女たちはそれぞれが相当に個性的であり(とりわけエミリー)、その意味では相関を視野に入れつつも、同時に単独の作家として読んで行こうと思う。2022/01/08
読書記録(2018/10~)
1
ブロンテ三姉妹の全作品につき、あらすじ・読み方・評価とほどよいまとまり。ジェイン・エアと嵐が丘以外は未読だが、読みやすい(既読作品はより楽しめる)。加えて三人の各論と、兄弟のブランウェル論、ブロンテとオースティンなど。個人的な印象だが、突っ走りがちのシャーロット、内向的すぎるエミリにくらべ、あまりに早世なのが惜しまれる末妹のアンがバランスよく感じる。女性の結婚に依存しないまたは依存しない結婚の姿を描いているようで興味深い。2023/07/31
Yuka Kohno
1
ブロンテの全体のことをまず、知りたい人にオススメです。写真、図、物語のあらすしなどが多くあり読みやすいですが、まず、ブロンテ作品全てに目を通してからの方がより楽しめると思います。日本におけるブロンテ研究者たちが寄稿しており、使用した参考文献も和書、洋書ともにリスト化されているので、これからブロンテ研究する学生には、私を含め、必読書だと思います。2015/08/01
Mana
1
ブロンテ3姉妹の主要な作品を複眼的に分析した本。作品の分析がメインで伝記的な部分は少なめなのが少し物足りない。弟グランウェルについてもう少し書いてほしかった。フェミ的な視点も多め。 アンのワイルド・フェル・ホールの住人が分厚すぎたから代わりに借りた本だったけどあたり。嵐が丘もこれでやっと話がちゃんとわかった。でもこれで満足して作品を読む気が減っちゃった… エリオットとオースティンについてはもう読んだから次に読むべきはギャスケル夫人かな。2011/07/07