内容説明
「友愛」という言葉は、ともすれば日本の国内のみで流通・消費されているキーワードのように思われるが、ポストモダンの思想の先にたどり着いたものである。思想の「バブル」の如く、消え去ったかに見えた構造主義に代表される現代思想の系譜は、水面下で確実に続き、混迷を極める今、再び日の目を見ようとしている。デリダはなぜ、「友愛の戦略」を打ち立てたか。そこに至るまでの思想家の知的格闘の軌跡を描き出し、ヘゲモニーの先にある、可能なる市民社会の姿を描き出す。
目次
第1部 アンチヘゲモニー(グラムシ(ヘゲモニーの超克;実践の哲学)
アーレントネセシティと自由な討議
ハーバーマス(公共空間の再生;ラディカルデモクラシー) ほか)
第2部 脱ヘゲモニー(ラカン去勢されるということ;アルチュセールイデオロギーと主体;ドゥルーズ生成と流動の世界 ほか)
第3部 友愛(バハオーフェン母性と古代;ユング母性と元型;ノイズ母性とマゾヒズム ほか)
著者等紹介
東條由紀彦[トウジョウユキヒコ]
1953年宮崎県生まれ。1979年東京大学文学部国史学科卒業。1984年東京大学大学院経済学研究科修了、経済学博士。東京大学社会科学研究所助手、小樽商科大学商学部助教授を経て、1992年明治大学経営学部教授
志村光太郎[シムラコウタロウ]
1967年神奈川県生まれ。1992年明治大学政治経済学部経済学科卒業。2001年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学。明治大学経営学部兼任講師、青山学院大学総合研究所客員研究員、ビジネス・ブレークスルー大学院大学客員研究員等を経て、2008年株式会社NTTデータユニバーシティチーフコンサルタント(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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