内容説明
日本ではこれまで国家に独占されてきた公共性が、いまおおきく変わろうとしている。本書は、公共性という概念の歴史からその具体相までを整理し、地域社会のなかから公共性が創造される道筋を示す。
目次
序章 公共性をなぜ論じるのか
第1章 公共性をどう論じるのか
第2章 地域社会における共同性
第3章 地域的共同性の変遷
第4章 公共性の意味転換
第5章 新しい地域的公共性
第6章 都市づくりから見た公共性
第7章 河川の所有・管理・利用から見た公共性
終章 地域的公共性の形成に向けて
著者等紹介
田中重好[タナカシゲヨシ]
1951年神奈川県生まれ。1982年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学(社会学博士)。現在、名古屋大学大学院環境学研究科教授。専門は地域社会学、災害社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひつまぶし
1
タイトルと内容が見合っていない。序章に「公私の中間空間」という言葉が出てきたり、第1章で公共空間と共同性を関連させる議論への言及はあるが、本書の内容は政策的公準に限った枠組みを提示する範囲を出ないもののようだ。やたらと細かい類型化や歴史的な系譜の検討など、時間をかけて書かれたことは分かるが、「新しい公共」ブームに沿うような枠組みを当てはめて、地域的共同性の延長として公共性が生まれることを理想化してしまっている。書きためた論文を書籍化する筋書きが必要だったのだろうが、混乱するので一冊として読まない方がいい。2022/10/30