内容説明
旧ソ連空間に冷戦崩壊後に生じた国境を越えて、人の動きが活発化している。中央アジア移民たちの受入国であるロシアおよびカザフスタンを舞台に、移民たちの声に耳を傾けながら、彼らの直面する現実や受入社会が彼らを引き受ける現実を解明。多様な移民問題の現実を浮き彫りにする、わが国初の本格的な中央アジア・ロシア移民論。
目次
第1部 中央アジア・ロシア移民問題の領域(中央アジア地域の人的資源と社会状況;労働移民がつなぐロシアと中央アジア;中央アジアにおける人身売買との戦い;CIS諸国の移民問題へのILOの取り組み)
第2部 中央アジアからロシアへの移民(シベリアへ向かう中央アジア移民―シベリアが直面した移民問題;カブフスタンを経由する移民たち;モスクワの中央アジア移民―移民の語りから構築する中央アジア移民像)
第3部 中央アジアからカザフスタンへの移民(カザフスタン移民政策の基本コンセプト;カザフスタンへの移民―労働移民およびオラルマンと政治;カザフスタンにおける移民定着の諸問題;カザフスタンにおける移民の変容)
第4部 市民・移民・地域の安全保障(中央アジア、ロシアにおける移民と「人間社会の保全保障」;中央アジアのシティズンシップと安全保障―ロシア国籍と二重国籍制を中心に;シベリア・極東地域におけるステレオタイプと移民恐怖症;ロシアにおける超エスノフォビア;カザフスタンにおける人身売買のリスク―犠牲者は当然の報いを受けたのか?)
著者等紹介
堀江典生[ホリエノリオ]
1965年京都市生まれ。1998年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。東北大学東北アジア研究センター助手、富山大学講師、助教授(准教授)を経て、富山大学極東地域研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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