内容説明
高等教育機関において、障害の一つである聴覚障害が、どのような「障壁」をもたらし、また「自立」への困難さを内包しているのか。当事者自身が求める「情報保障ニーズ」、「支援ニーズ」と、その支援の方策を、質的調査から理論的に導く。その理論的背景として、「モノ」に対する「ユニバーサルデザイン」と、「ヒト」に対する「インクルーシブデザイン」を融合した「ユニバーサル・インクルーシブデザイン」という新たな概念を用い、「人と環境の相互作用」のフレームワークから、聴覚障害者支援を確立する必要性を説く。
目次
序章 高等教育の大衆化問題と国連にみる障害者問題―多様な学生たちへの支援の必要性
第1章 ユニバーサルデザイン/インクルーシブデザイン・障害と高等教育、そして女性聴覚障害者―先行研究レビューからもたらされるもの
第2章 障害者・聴覚障害者の高等教育へのアクセス―教育のユニバーサルデザインと障害者支援
第3章 ある女子大学にみる聴覚障害者支援―講義・演習のユニバーサルデザインの視点から
第4章 女性聴覚障害者の生活自立に向けて―生涯にわたる自立のために
終章 聴覚障害者の自立支援における今後の課題―ユニバーサル・インクルーシブデザインの可能性
著者等紹介
吉田仁美[ヨシダヒトミ]
1977年岩手県生まれ。2001年法政大学法学部政治学科卒業。2003年昭和女子大学大学院生活機構研究科生活科学研究専攻修士課程修了。民間企業勤務を経て、2009年昭和女子大学大学院生活機構研究科生活機構学専攻博士後期課程修了。2002年度及び2008・2009年度独立行政法人メディア教育開発センター(現:廃止機関)特別共同利用研究員。現在、昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科助教、同大学女性文化研究所研究員、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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