内容説明
本書は、アジア諸国の大統領制、半大統領制国家を比較し、国家元首と議会の関係を解析することで、アジアの政治文化の特徴を明らかにすることを目指している。北米、EUに次ぐ第三の極としてのアジアの先進諸国の現代政治に迫る。
目次
第1章 アジアにおける大統領・議会関係の分析枠組み―憲法権限と党派的権力を中心に
第2章 韓国の大統領制―強い大統領と弱い政府の間
第3章 フィリピンの大統領制―大統領と議会のバーゲニングとその政策帰結への影響
第4章 台湾の半大統領制―総統の「強さ」と政党リーダーシップ
第5章 スリランカの半大統領制―スリランカの大統領は「弱い」のか?
第6章 インドネシア大統領制―合議・全員一致原則と連立政権による制約
終章 アジアの大統領比較研究からみえてくるもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無重力蜜柑
6
レポートの題材として。大統領制及び準大統領を採用しているアジア諸国の政治を、主に「制度」の側面から大統領と議会の関係(つまり大統領の「強さ」)に焦点を当てて比較する。取り上げられているのは韓国、フィリピン、台湾(この章が目当て)、スリランカ、インドネシア。憲法上は強い権力があるように見える韓国が選挙制度や政党の凝集力不足で意外と法案を成立させられなかったり、逆に憲法上の権限は弱いように見えるスリランカの大統領が政治的な手段で強い影響力を持っていたり。政治学は一般理論が多い割に逆説まみれで難しい。2021/12/23
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