内容説明
近世を代表する経世家、農政家として知られる二宮尊徳。倹約努力して没落した家を再興し、小田原藩主の信任のもと六百余村の復興を成し遂げた背景には何があったのか。本書では、その仕事と人間像を明らかにする。
目次
二宮尊徳という人物
栢山・小田原時代
野州桜町時代
尊徳の発明した雛形
国家の盛衰と存亡
経世家たちの中の尊徳
尊徳の金銭哲学
劇的展開を見せた尊徳仕法
幕政・藩政への批評
尊徳の四つの力
報徳社運動
日本の尊徳から世界の尊徳へ―二一世紀こそ尊徳の世紀
著者等紹介
小林惟司[コバヤシタダシ]
1930年神奈川県生まれ。1953年慶應義塾大学経済学部卒業。千葉商科大学教授などを経て、現在、日本文藝家協会会員、商学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
2
二宮尊徳が生涯かけて手がけた農村再興のための仕法と彼の生涯について書いた一冊。▼二宮尊徳彼自身を褒め称える立場での内容であり、内容は一貫しているから読みやすい。▼彼のやろうとしていることは「分度」の設定であり、お上自らが節制をし、その結果として農民自身の手取りを増やしていく(そして実際に生産を増やしていけるよう真面目に土地を開墾し、水路等整備していく)ことを本に掲げている。▼著者が指摘するように、緻密な数字と論理をもって農業を論じており、優れた経世家であると共に、優れた技術者であったように思う。2022/05/27
takao
1
ふむ2024/12/08
マウンテンゴリラ
0
日本人の誰もがその名前は知っていると言える二宮尊徳であるが、私自身も含め彼の業績についてはあまり知られていなかったのではないだろうか。単に勤勉で道徳心の厚い、民衆の指導者であるばかりでなく、現代風に言えば、相互扶助によるコミュニティの設計者であり、実践的指導者であったということがよくわかった。また、これからの地方分権の時代における、多くのヒントが彼の功績に秘められているような気がした。しかし、そのような偉人の功績を戦後の日本人が、自発的に放棄しようとして来たことは非常に残念であり、今後の再評価が望まれる。2014/06/17
ハティー
0
読了。文章が固くて読むの疲れた?改めて二宮尊徳はすごい人だと実感した。こういう偉人は幸せを感じるポイントが凡人とは違う。社会奉仕とか自分の描く理想像を社会に創造することに喜びを感じるから私利私欲、自分の煩悩は二の次三の次。憧れるけど難しい。2018/04/28