内容説明
本書はまず、現代の国際通貨金融システム=「米ドル本位制」の存立条件を歴史的・段階的に問い質し、理論的枠組みを提案する。その上で東アジア発の金融危機が、金融・為替取引の自由化により引き起こされていることを明らかにするとともに、国際通貨体制の安定の方策を探る。
目次
第1部 国際通貨体制の理論的視座(外国為替取引とは何か―為替信用代位説の再検討;外国為替銀行の生成・展開と国際決済―現代国際決済システムの理論的展望;国際通貨ドルの流通根拠論争―「米ドル本位制」の存立根拠;「米ドル本位制」の系譜と国際決済の非対称性―鼎立不可能命題批判)
第2部 「米ドル本位制」の現実と東アジア(東アジア通貨危機の背景―「最適為替相場制度」論争と「資本収支危機」説の検討;人民元為替相場制度論争;アメリカ国際収支赤字の持続可能性論争―「米ドル本位制」のアキレス腱;不均衡拡大の短期資本移動と「独立した金融政策」―鼎立不可能命題批判;東アジア地域為替精算同盟の可能性―二つのACUの検討を通じて)
アメリカ金融危機と国際金融システムの将来―暫定的な分析と展望
著者等紹介
鳥谷一生[トリタニカズオ]
1959年生まれ。1988年同志社大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得退学。1988年大分大学経済学部専任講師。1990年大分大学経済学部助教授を経て、大分大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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