内容説明
無保険者の増加や医療費の高騰など、深刻な問題に直面するアメリカの医療。クリントン政権による国民医療保険改革の失敗に象徴されるように、改革が難航してきた背景には、どのような政治的要因が存在するのか。本書は、政党政治の変容と、それにともなう政府、企業、個人それぞれの役割を重視する三つの改革アプローチをめぐる対立の激化に焦点を当てるとともに、現代アメリカにおける、医療改革をめぐる対立の構図について明らかにする。
目次
序章 本研究の目的と意義
第1章 アメリカの医療保障制度とその問題点
第2章 医療保障制度改革と政党政治―政府、企業、個人
第3章 クリントン政権の国民皆保険制度改革期―一九九〇年代前半
第4章 漸進的な改革期―一九九〇年代後半
第5章 ブッシュ政権下の改革期―二〇〇一年以降
終章 現代アメリカ政治への視座と改革に向けた展望
著者等紹介
天野拓[アマノタク]
1971年東京都生まれ。2005年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。慶應義塾大学博士(法学)。現在、國學院大學兼任講師。獨協大学非常勤講師。主著『現代アメリカの医療政策と専門家集団』慶應義塾大学出版会、2006年(2007年度アメリカ学会清水博賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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