内容説明
「註のある本」から「註のない本」へ。五十代にして「註のない学芸書」へ鮮やかな転身を遂げた著者の本領を示すエッセイ群。
目次
第1部 「人」の風景(研究回顧ふう自画像;追憶の人びと)
第2部 「本」の風景(本の周辺;ミステリーの考現学)
第3部 「好きなもの」の風景(アイルランドを歩きなおす;イギリスを歩きぬける;スコットランドを歩きつづける;食を歩きなずむ;歩きほうけてどこまでも)
著者等紹介
高橋哲雄[タカハシテツオ]
1931年神戸市に生まれる。1954年京都大学経済学部卒業。専攻はイギリス社会文化史。現在、甲南大学・大阪商業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロピケ
1
面白い先生をまた一人見つけてしまった。著者は「饅頭本」などと評しているけれど、結構好みの小ぶりな饅頭が詰まっていて、お茶を飲みつつのんびりと味わう感じで読めて良かった。〈人〉の部分は、こんな飄々とした先生でも、学問の道を極めて行く途上には「先生と私」のような経験があったのだな…とか、ユニークな存在としての学者(師匠、仲間)の世界を覗き見る愉しみも。〈本〉の区分では、興味深い事実をいくつも教えてもらって、『明暗』を読んでみたくなったり、カーライルの妻ジェインやJ・S・ミルの生涯についても調べてみたくなった。2012/09/06