内容説明
空也(九〇三~九七二)、平安中期の僧。物の怪や怨霊のはびこった古代平安京で、民衆に「南無阿弥陀仏」の念仏を勧めた空也。その生涯と仏教思想を辿り、市井の聖として生きた人物像に迫る。
目次
第1章 弥陀の名を唱え、般若を求索す
第2章 極楽往生を説く仏教
第3章 『空也上人誄』
第4章 生涯と行業
第5章 空也仏教の思想
参考資料
著者等紹介
石井義長[イシイヨシナガ]
1932年東京都生まれ。1956年東京大学法学部卒業、NHK入局(教養部PD・放送総局計画担当部長・経営企画室主管・ニューメディア推進本部事務局長等)。1989年NHK定年退職後、東方学院・駒澤短期大学に学ぶ。2000年東洋大学大学院博士後期課程修了、『空也上人の研究』により博士(文学)学位取得。以後、東洋大学非常勤講師、東方学院講師等。現在、仏教文化研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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moonanddai
4
平安時代の宗教界の風景や、飛鳥からの浄土教の歴史など参考になりました。空也はやはり早すぎた聖人だったということでしょうか。空也の念仏、あるいは(言ってしまえば)空也という人物が、一つの「流行」だったような気がします。猥雑な市中での念仏といったものは、この時代の(貴族を含む)仏教界では相当低く見られていたようです。空也の念仏はその後民間仏教、民俗仏教の中へ、例えば踊り念仏という形で拡散していったのではないかと思います。ただ、空也という人、当時敵対する天台と興福寺との間を動き回る、したたかさもあったようです。2021/10/13
はちめ
0
情報量が少ない人物だけど妄想はできる限り控えて書かれている。ここから先はフィクションの世界で描いてみたい。謎の一つは10台で利他行を行えたこと。知識か資本が必要だったはず。やはり落胤か?本書のキーワードは、利他行、易行、捨。2013/11/24