内容説明
「魏志倭人伝」に「邪馬台国」という国名は存在しない―。あまりにも明白なこの事実がいかにながらく無視されてきたか。これで日本の歴史学ははたして成り立つのだろうか。原文の徹底した史料批判から、女王国が全貌を現わし、旧い日本の歴史像を一変する。長文の書き下ろし「日本の生きた歴史」を新たに加えて、待望の復刊。
目次
序章 わたしの方法
第1章 それは「邪馬台国」ではなかった
第2章 いわゆる「共同改定」批判
第3章 身勝手な「各個改定」への反論
第4章 邪馬壹国の探究
第5章 「邪馬壹国」の意味するもの
第6章 新しい課題
補章 二十余年の応答―朝日文庫版あとがきに代えて
日本の生きた歴史(一)
著者等紹介
古田武彦[フルタタケヒコ]
1926年福島県生まれ。旧制広島高校を経て、東北大学法文学部、日本思想史科において村岡典嗣に学ぶ。長野県立松本深志高校教諭、神戸森高校講師、神戸市立湊川高校、京都市立洛陽高校教諭を経て、1980年龍谷大学講師。1984~96年昭和薬科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マカロニ マカロン
7
個人の感想です:B。「邪馬台国」の「台」の元の字体は「臺」。魏志倭人伝には「邪馬壹国」と書いてあり、これは原文の誤字であろうと一般的に解釈されてきた。しかし「邪」や「馬」が卑字であり、当時の日本の諸国の名前として漢人が使用した「奴」や「狗」などと共通しているが、「台」の元の字「臺」は盛り土、高地、宮殿を意味する尊い字である。よって、当時の漢人が東の辺境に住む顔や全身に刺青をした野蛮人の国の名前に「臺」を使うのはおかしいという考え方で、改めて原文に忠実に検証した結果、そういう名前ではなかったという結論。2015/12/12
ゆずこまめ
4
ずっと邪馬台国と思ってきたのでいきなり違うと言われてびっくりですが、迫力ある筆致に納得してしまう。今現在は邪馬台国論争ってどうなっているのかな。2021/10/10
towerofthesun
4
陳寿の三国志に「邪馬壹国」とあるのを、日本の史家が「邪馬臺国」と読み直したのが誤りであるという論点から徹底的に原文を検証していく様は、非常に知的好奇心をくすぐられた。ただ、この手法がハマり過ぎたがために、そしていわゆる「中央」への反骨心のために、後年「東日流外三郡誌」騒動では誤った援護をしたのかな。本書を読んで感動した方は、セットで斉藤光政『偽書「東日流外三郡誌」事件』もぜひ一読を。本書とは逆に、あまりにも原書(偽書)を信頼してしまったが故の騒動が丁寧に読み解かれており、古田武彦氏も登場します。2015/04/13
あまの
4
現在の邪馬台国論争がどうなっているのかわかりませんが、近畿説にも九州説にも無理があると感じていました。この本は三国志魏志倭人伝を何の改訂もせず素直に読み下し、明解に邪馬台国(そもそもyamawi国であってヤマタイではない)の存在を示しています。今まで見聞きした邪馬壹国の論争の中で一番納得できる内容でした。博多湾に存在した邪馬壹国、四国西岸地域にあったと思われる侏儒国(小さい人の意)、大平洋を横断するアメリカ大陸へ至る航路を持っていたのではないかと考えられる記述、古代人へのロマンを感じます。特に侏儒国が本当2012/11/02
無職のhkmaro
3
「邪馬台国」について非常に合理的な視点から研究している本。特にすごいと思うのは、古代の文書を現代のパースペクティブから読まない、という態度を徹底しているところ。その結果一見トンデモな結論に至るが、著者はそこで怯まない。あとは、全共闘に肩入れするようなアカデミズムへの反骨精神がこの本を書かせたらしい、というのも面白い。2014/10/18




