内容説明
徳川幕府の崩壊のなかに身を置き、「朝敵」の汚名を蒙むるその渦中で、徳川宗家の存続という重責を果した和宮。彼女が、帰京して念願の父仁孝天皇の霊廟を参拝した、明治二年の和宮の最終章の歩みを序章にとりあげ、第一章から順を追って、誕生からの人生を宮中の年中行事のなか、仕来りに従ったなかで成長する宮の幼少期からを綴っていくことにする。
目次
序章 静寛院宮和子の帰京
第1章 皇女和宮
第2章 朝廷と幕府のはざまで
第3章 大奥の親子内親王
第4章 汚名「朝敵」をのり越えて
終章 後世に「清き名」を残す
著者等紹介
辻ミチ子[ツジミチコ]
1929年京都市生まれ。立命館大学大学院修士課程修了。高校教諭ののち、宇治市歴史資料館館長、京都文化短期大学教授などを務める。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すきま風
10
天璋院と共に江戸城無血開城に尽力した和宮。その生き様に惹かれ、これまで様々な文献を読んできたが、本書は特に和宮の功績を丁寧に描いている。天璋院の功績にスポットが当たりがちだが、本書ではその天璋院が徳川家の存続、その後の事に関しても和宮に頼り、和宮が力を尽くしていた事実を知ることができた。日記や嘆願書、和宮の詠が書かれていて、詳しい解説がないものも多いので若干読みにくいが、大奥入場前までの幼少期、明治期の姿など他では書かれていなかった事が紹介されていたのが良かった。一部静寛院宮の字に誤りがあるのが気になる。2019/05/13
そーだ
0
借り物。2010/08/01
ガチャ
0
今まで篤姫について書かれた本を読む中で和宮に触れてきたが、初めて和宮についての本を読もうと思い手に取ってみた。篤姫側から見た和宮は、徳川家の嫁としては頼りなく、いつも心は生家や古里の京都にあるといった印象だったが、この本の中の和宮は幕末の激動期を柔軟に対応し、乗り越えてきたことが分かった。やはり一方聞いて沙汰してはいけないと感じた。物事を見る時は、様々な視点で見て行かなくては真実は見えてこないと改めて実感した。2019/10/30