内容説明
現代社会は消費を中心に動いている。しかし、現代の消費がどこへ向っているのかという問いにはこれまで答えが出なかった。本書では、ポストモダン消費論、マクドナルド化論、消費グローバル化論、消費記号論、脱物質主義化論、という五つの消費文化論の検討を通じて、モダンでもポストモダンでもない第三の消費文化の台頭を結論づける。
目次
第1章 ポストモダン消費論の脱構築
第2章 消費文化とマクドナルド化
第3章 グローバル化と消費文化
第4章 消費記号論の彼方
第5章 脱物質主義の消費文化
結語 第三の消費文化に向けて
著者等紹介
間々田孝夫[ママダタカオ]
1952年富山県生まれ。1960年東京に転居。1974年東京大学文学部社会学科卒業。1979年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。金沢大学文学部を経て、立教大学社会学部教授。専攻は消費社会論、経済社会学、社会行動論、社会階層論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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椎奈
6
【2015.04】私に彼の文章や説明が合わないのか、それとも私自身の読解力や想像力が足りないのか、何度も読み直しても意味が 捉えずらい部分があった。【内容についての追記を後に行う】2015/07/11
daiki
0
モダニズムやポストモダニズムについてよく分かってなかったので、その辺りはとても理解できた。ふたつの傾向は共存しているというのも納得した。またグローバル化とそれに伴う文化への影響も理解しやすかった。どういうものが画一的に展開されやすいかという点もなるほどという感じ。消費の記号論は中身をこねくり回して、結局何を伝えたかったのかはよく分からなかった。おそらく社会学の分野で取り残されていた部分の指摘が目的だったのだろう。ただ機能的価値と文化的価値といった見方は勉強になった。2015/11/08
Seutaro
0
前半は良いのだが後半から納得できない箇所が多くなる。「脱物質主義」という結論がまずあって、そこから論理が展開されているような印象を受ける。たとえば、筆者は脱物質主義の進行を説くにあたり、デノテーションとコノテーションといった記号消費の発想を否定している。しかし、実は筆者自身がこの二分法に束縛されている。実際の消費は複合的な理由に基づいて行われるのが普通であり、その意味で記号消費の観点からだけで十分な説明はできないにしても、機能面からだけでは説明できない現象も同様に多いのではないか。2011/05/31
人生ゴルディアス
0
これは良い教科書。思想界の魔窟(と思っていた)ポストモダニズム思想が、ひどく単純なものに見えた。著者自身が言っているように、文章がうますぎて難しいことを言っているように思えないが、これはすごい本だ。論の進め方として、まずAという思想を説得力たっぷりに説明した後、「だが」と反論「B」にてこき下ろす。鼻っ面を引き回されている感じが心地よい。そして、著者は「第三の」として「C」論を持ち出してくる。しかも、己の論が安っぽく見えてしまうだろうに、「常識」を持ちだしてくるのだから、学者として以前に人間として尊敬した。2011/04/14
mimi
0
平積みされてたのでなんとなく気になって。サブタイトルの付け方に惹かれた気がする2010/10/21