出版社内容情報
二○世紀の後半に発表された女性作家たちの短編小説から、「家族」関係を中心にした「人間の絆」をテーマに論じる
内容説明
15の短編が織りなす家族の物語。人間の絆を鮮やかに描き出す。
著者等紹介
佐藤宏子[サトウヒロコ]
東京女子大学文学部英米文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻修士課程修了。マウントホリオーク大学英文科修士課程修了。東京女子大学名誉教授。専攻はアメリカ文学・女性学
川本静子[カワモトシズコ]
津田塾大学学芸学部英文科卒業。東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻修士課程修了。津田塾大学名誉教授。専攻はイギリス小説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
26
私にとっては家族と不和になった出来事を逐一、思い出させる作品集でした。結構、1980年代に描かれた作品ばかりで、尚且つ、アフリカやイスラム圏などのイギリス国外の家族を描いてイギリスの家族像と比較する様な作品が多かったのが意外でした。特に親の望みと子の望みが必ずしも一致しないがために子供が卑屈になってしまう話は就活の面談練習で「卑屈になりすぎる」と言われた私にとっては、我が身を見ているようで辛いと同時にラストにホッとしました。女と男編では、性行為を行うより前の過程に思わず、顔を顰めていました。2013/12/04
くさてる
10
粒揃いの女性作家アンソロジー。とりわけ、フェイ・ウェルドン「週末」がすごかった。もうすべての女性必読。主役と主役のこども以外全員の登場人物を機関銃で撃ち殺したくなるほど苛立ったほど、恐ろしくひきこまれてしまって読むのをやめることが出来なかった。ある意味でホラーとしか言いようがない内容だと思うけど、そこに描かれているのはあくまで日常。75年の英国が舞台だけど、きっと、同じ光景は現代の日本にだってみつかるはず。苦しくて苛立たしくてやりきれず、でもユーモアもある。すごいなあ、と思いました。2013/11/19
だけど松本
1
母と娘、母と息子など、テーマ別に分類されてて、母と娘のなかには自分の母を重ねて涙腺がゆるみそうになるものもあったりしたけど、全体からみるとあまり胸にくるものはなかった。インドとか中東のものに関しては、その国の文化がアメリカやイギリス以上にわからないので、家族関係よりも新しく知識になるようなその国の文化がとても新鮮だった。2015/05/29
takeakisky
0
豪勢なラインナップ。名は聞くものの読んだことのない作家が多く、期待をもって読み始める。懐かしい名前が(テス・ギャラガー、ジェイン・アン・フィリップス)少しあるのも嬉しい。三つも読むとお腹がいっぱいになる、力のある短篇が並ぶ。これで分かった気にはならないが、ショーケースとしては魅力的。そして、やはり、テスの馬を愛した男は特別。ただ、先行訳と細かいところで大分印象が異なる。ところで、巻末の解説は出版当時訳がないものもタイトルだけ日本語にしており、既訳があるものも独自の訳で、そういうの困るんだよねと、強く思う。2024/06/22
金糸雀
0
女性作家だから?父と息子のカテゴリーはなかった。2019/08/10