内容説明
「長い平和」であったはずの冷戦はなぜ終結したのか。本書は、冷戦変容期のデタントをめぐる欧州国際政治の中に、この問題の解答を見出す試みである。とりわけNATOの政治化、チェコ事件、CSCE成立といった冷戦変容の諸要因をイギリスの視点から考察する。それによりイギリスが米独仏のデタント政策に反応する中で独自のデタント観を構築する過程を明らかにし、イギリス外交が冷戦をどう変容させ、デタントの中でどのような意義を持ったのか考察する。
目次
序章 デタント史の構築
第1章 イギリス外交と東西関係の正常化
第2章 デタントの論理と「欧州宣言」構想、一九六四~一九六七年
第3章 NATOの正当性の危機とアルメル研究、一九六六~一九六七年
第4章 欧州安全保障会議の開催をめぐるイギリス外交、一九六八~一九七〇年
第5章 「デタント」への懐疑と「人・情報・思想の自由移動」、一九六八~一九七二年
第6章 イギリスのデタント観とCSCE交渉、一九七二~一九七五年
終章 イギリス外交とデタント
著者等紹介
齋藤嘉臣[サイトウヨシオミ]
1976年福岡生まれ。2005年神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了。政治学博士号取得。現在、京都大学大学院法学研究科21世紀COE研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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