内容説明
現在の介護保険制度の現状をみると、制度や介護報酬などに応じた介護サービスの実践が中心に行われており、介護福祉の基本原理の構築をめざす思想が欠如しているように思われる。介護福祉にまず要求されるのは「介護の心」、介護される者への「介護の心のあり方」である。それなくしては、心と心のつながった、心ある介護は成り立たない。介護保険制度において介護福祉思想の欠如により、心ない施策制度や介護、心ない介護者の問題がクローズアップされている現代、介護福祉の基盤をなす思想の探求は不可欠である。本書は、人びとの心の底流に流れる思想を基に、介護保険時代における新たな介護福祉の思想的基盤の構築をめざすものである。
目次
介護福祉思想への助走
第1部 介護保険時代の介護福祉思想(現代の介護福祉を考える;日本における介護福祉思想の起点;介護福祉思想を形成する基盤 ほか)
第2部 東洋における介護福祉思想(論語に学ぶ介護福祉思想;中国における介護福祉思想;韓国における介護福祉思想 ほか)
第3部 西洋における介護福祉思想(キリスト教における介護福祉思想;カント倫理学から見た介護福祉思想;介護福祉の経済思想―アダム・スミスを中心に ほか)
介護福祉思想の探求に向けて
著者等紹介
一番ケ瀬康子[イチバンガセヤスコ]
長崎純心大学大学院、日本介護福祉学会初代会長
黒澤貞夫[クロサワサダオ]
浦和大学・浦和大学短期大学部学長、日本介護福祉学会会長
太田貞司[オオタテイジ]
神奈川県立保健福祉大学、日本介護福祉学会理事
住居広士[スミイヒロシ]
県立広島大学大学院、第十四回日本介護福祉学会大会長
田路慧[トウジサトル]
吉備国際大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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