内容説明
本書は、現代英国を代表する政治哲学者であり、多彩な政治評論活動を展開している、ジョン・グレイによる自由主義論の新展開である。今日の価値多元的状況において、自由主義は普遍的価値の実現を支持することを放棄し、多様な価値観の平和的共存の条件の追求に努めるべきであると主張する。
目次
第1章 「自由主義的寛容」
第2章 「多元的価値」
第3章 「自由の競合」
第4章 「暫定協定」
著者等紹介
グレイ,ジョン[グレイ,ジョン][Gray,John]
ロンドン大学・LSE教授
松野弘[マツノヒロシ]
1947年岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業(社会学専攻)、博士(人間科学、早稲田大学)。日本大学文理学部教授/大学院総合社会情報研究科教授。専門分野、政治思想/現代政治論、環境思想/環境社会論、政治社会学/地域社会論、産業思想/「企業と社会」論等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
4
冷徹で現実的な思考。訳も解説も良い。おすすめ2013/09/03
ぽん教授(非実在系)
1
自由主義を大きく普遍志向のものと価値多元主義的なものとに分けて、後者の側に著者は執筆当時立っている。個人主義・(特にロールズやノージックなどアメリカ人が大好きな)正義や人権によるリーガル的自由主義・市場主義が何れも比較不可能な異なる価値観との妥協なり対話が不可能であるとして、普遍的自由主義をマルクス主義と同様の空想主義であるという批判は以前から「新自由主義とマルクス主義の同質性」を素朴に考えてきた自分に代わって詳細に論じてくれたような感じすらして感動的である。2015/07/06
メルセ・ひすい
1
8-06 赤26 「多様な社会に即した寛容」とは・・・自由主義の最大の特徴は寛容であるという、その寛容の二つの系譜の解説から・・・ 専門的 良書 1948年生まれ。オックスフォード大学エクスター・カレッジで哲学、政治学、経済学について学び、博士号を取得。ロンドン大学・LSEのヨーロッパ思想史担当教授。 現代英国を代表する者であり、多彩な政治評論活動を展開している、ジョン・グレイによる自由主義論の新展開。価値多元的時代における「暫定協定」としての、自由主義を主張した、政治哲学論集大成。2006/12/05
NO MORE MR.NICE GUY
0
自由主義は踏み込むと大変2014/06/22
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