内容説明
資本とは、無限の自己増殖運動を繰り返す価値である。したがって、過剰資本をもっとも抽象的に規定するならば、自己破壊する価値ということができよう。両者は対立的であり、相容れないにもかかわらず並存し、不可分一体であるからこそ不断に軋轢と矛盾を生み出していく。そして、価値の創造と破壊、蓄積と収奪を景気循環とともに繰り返していく。本書では、このような過剰資本が国際的に展開していく過程を理論的かつ歴史的に論証し、その「出生の秘密」を暴きだす。
目次
過剰資本とは何か―基本概念と本書の構成
第1部 過剰資本(利潤率の長期低落傾向に関する理論;利潤率の長期低落傾向に関するこれまでの実証研究;1981年―利潤率の逆転;1981年―過剰貸付資本への転態)
第2部 国際過剰資本(国際過剰資本とは何か;資本過剰と貿易収支;擬制資本の膨張と世界金利体系;擬制資本の膨張と資本不足;国際過剰資本の誕生)
アメリカ利潤率、蓄積率の推計
著者等紹介
板木雅彦[イタキマサヒコ]
1957年生まれ。1984年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程中退。立命館大学国際関係学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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