内容説明
本書は、東欧・ハンガリーにおける経済統合と体制転換の進展を解明したものである。旧社会主義諸経済と移行経済を同時に観察し分析する理論的枠組みを示し、コメコン体制からEU加盟の関係の動態までを、東欧の小国経済と地域統合、世界経済の三者の相互関係を意識しながら、詳細に分析する。体制転換と直接投資の諸関係についてはグローバルなレベルからミクロなレベルまで分析を行うなど、20世紀末に世界経済のなかで展開した体制転換とは何だったのかを探る。
目次
第1章 比較経済体制論からコンフィギュレーション理論へ―研究方法のパラダイム・シフトによせて
第2章 現存した国家社会主義の歴史的考察
第3章 企業・経営からみた20世紀社会主義とは何か
第4章 コメコンからEU加盟の期待へ
第5章 EU加盟実現―EU加盟交渉の終結とそのユーロ導入への展望
第6章 国際金融と体制転換
第7章 対内・対外直接投資の特徴とその位置
第8章 対内直接投資と体制転換への影響
第9章 ハンガリーにおける民営化と所有構造の転換
第10章 ハンガリーの体制転換と労働市場、労働・生産過程
第11章 市場経済移行の類型化のアプローチ
著者等紹介
田中宏[タナカヒロシ]
1951年生まれ。京都大学大学院経済学研究科、高知大学人文学部教授を経て、立命館大学経済学部教授
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