出版社内容情報
人類最古の衣料毛皮と皮革を巡る壮大な歴史。
内容説明
人類最古の衣料である毛皮と皮革は、どの時代どの文明圏においても重要で特異な役割を担ってきた。本書は、原初には呪術や習俗と、中世には社会的ステイタスと、そして近代以降は世界商品市場と不可分であった毛皮と皮革の交易が、世界フロンティアを求めて「掠奪のシステム」の中で展開する様々な社会・生態変容と時代の転変を読み解いた壮大な人類の歴史ドラマである。
目次
序章 本書の課題と研究史の展望
第1章 原初心性と毛皮・皮革
第2章 原始・古代
第3章 中世:動物観の変遷と毛皮猟の進展
第4章 ユーラシア毛皮交易圏
第5章 植民期アメリカの毛皮交易
第6章 毛皮の世界フロンティア
第7章 極東の開国と毛皮―「世界フロンティア」への三つの経路
終章 掠奪のシステムの帰結
著者等紹介
下山晃[シモヤマアキラ]
1954年大阪府生まれ。日本大学商学部博士後期課程単位取得満期退学。大阪府立大学経済学部大学院研究生・九州共立大学助教授を経て、現在、大阪商業大学総合経営学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
北区のまき
2
毛皮狩猟からの金儲けから歴史を見る3800円もする内容ともに重たい本。人間の古今東西に渡る動物虐待史。読むと疲れるわ辛いわ暗くなるので人には勧められない。著者は後書きにて動物好きの妻に贈りたいと言っているが見せない方がいいと思う。2022/01/25
ノルノル
2
著者は大阪商業大学の経済史。日本語で読める毛皮史としては現状一応筆頭にくる本かもしれない。世界システム論の中に毛皮を位置づける。毛皮が動物虐殺と奴隷制を地球に拡大してきた様を描く。問いも射程もわかるのだが、随所に残念が。研究史が羅列・駆け足過ぎる、欧語2次文献が古い、英語メイン、1次史料が孫引きや翻訳ばかりで、著者による史料分析が無いなど。余談や著者の感想が入り込んだりと、エッセイに近い部分も多々あり。2005年でまだこの段階しか出せない所に本邦の毛皮史研究の問題が。2019/04/12
学生
1
レポート書くときに図書室へ行き、参考にしました。 SNSでpetaの投稿見たり、earthlings,dominion等ドキュメンタリー映画見たり、この本を読んでvegan・エシカル消費に興味をもちました。v-cookやhappy quinoaが便利だと思うしpinamore,womsh,aether beauty,arture,等vegan(フェアトレード)対応の植物性製品良いなと思いました。2017/09/21
志村真幸
1
毛皮・皮革という視点から、世界史を通史的に見直そうとした一冊。 原始古代から語り始め、中世、近代初期、近代と長いスパンでとらえられており、なおかつヨーロッパ、北米、中国北方~シベリア、日本と、場所という点でも非常に幅広い。 毛皮を求める心性が世界史をまわし、またそれにともなって略奪や収奪が続けられてきたとする。多数の例が具体的な数字とともにあげられ、これまでの歴史学に毛皮という視点が抜けていたのは、大きな見落としであったと納得させられる。2021/08/25
せがわ
0
※とりあえず4章まで2017/05/08