出版社内容情報
【内容】
等伯と戦国大名との意外な関係、豊臣・徳川政権下の有力な武士たちとの交流に注目した、新たな等伯論。『等伯画説』を読み込むことで絵画史上の位置を明らかにするともに、「楓図」と「松林図」という対照的世界を読み解く。
【目次】
はしがき
1 等伯研究史三つのエポック
2 絵仏師、信春の誕生
3 『等伯画説』
4 等伯と号す
5 晩年の旺盛な制作活動
6 松林図にいたる道
参考文献/あとがき
年譜/人名・事項索引
内容説明
等伯と戦国大名との意外な関係、豊臣・徳川政権下の有力な武士たちとの交流に注目した、新たな等伯論。『等伯画説』を読み込むことで絵画史上の位置を明らかにするとともに、「楓図」と「松林図」という対照的世界を読み解く。
目次
第1章 等伯研究史の三つのエポック
第2章 絵仏師、信春の誕生
第3章 『等伯画説』
第4章 等伯と号す
第5章 晩年の旺盛な制作活動
第6章 松林図にいたる道
著者等紹介
宮島新一[ミヤジマシンイチ]
1946年愛知県生まれ。1973年京都大学大学院文学研究科修了(文学博士)。京都国立博物館、文化庁、奈良国立博物館、東京国立博物館などを経て、現在、九州国立博物館設立準備室総主幹
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感想・レビュー
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夜間飛行
179
染物屋で育った等伯の色使いは能登の文化を偲ばせる。都でも入手困難の顔料を用い、着物の柄のように画面を構成した。智積院の楓図は伝統の美と技術の結晶ともいえる。修業時代に墨谿の達磨図を模写しているが、墨谿の達磨が顔の筋肉まで動きそうなほど語りかけてくるのに対し、等伯の絵は泰然としてふてぶてしい。これが後の利休像になると、のほほんとして何を考えているのか? 後半生の等伯は京の町衆として工房を営み、茶の湯を介して中国絵画に親しみ水墨画の手法を練った。語らぬことで語る画風は、松林図など風景画にも通じるように思えた。2024/10/03
マカロニ マカロン
2
個人の感想です:B。安部龍太郎「等伯」と山本兼一「花鳥の夢」を読んで、等伯と狩野永徳の対立が、同じ世代の秀吉や家康の戦国武将の覇権争いにもにて興味を覚え、もう少し知りたいと思い読んだ。この二人の対立はどこまでホントかはわからないが、信長⇒秀吉⇒家康と天下人が変わると、政権に擦り寄る力を見せた方が大きな仕事を獲得しており、政治力抜きでは自派の興隆は望めないのは、現代にいたるまでの真実であろう。等伯は明治期には狩野派の蔭に埋もれてしまい、昭和初期に再評価され、「松林図屏風」は昭和9年国宝指定された。2014/05/02
Ryuji Saito
0
2021年9冊目。2021/04/23
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- 和書
- 大陸へ渡った初年兵の記録