出版社内容情報
【内容】
彼の生活と思想の根底をなす特異な歴史観と、独自の歴史文学の本質を明らかにし、「かのやうに」「空車」や遺言状などをめぐるさまざまな誤解を解く。
(「本書の特色は、鴎外の個々の作品を鴎外の全体像との関連において考えるという態度である。(中略)われわれはようやく鴎外の意図を正しく解明した研究に辿りついた」――直木孝次郎「序」より)
【目次】
序(直木孝次郎)
序 章 問題と予備的考察
1 問題としての森鴎外
2 文業と人と時代
3 鴎外文学の底層
第1章 啓蒙とロマンチシズム
1 医事衛生的啓蒙
2 文芸的啓蒙
3 ロマンチシズム理想主義
第2章 近代性の意識
1 蹉跌と変容
2 「潦休録」と美学的近代
3 「北清事件の一面の観察」と「新社会合評」
4 近代の運命
第3章 鴎外文学の成立
1 小説の時代
2 「かのやうに」連作の思想実験
3 「灰燼」における一つの終り
4 「羽鳥千尋」における一つの始まり
5 「興津弥五右衛門の遺書」をめぐる問題
6 歴史小説と史伝
第4章 晩年の思想
1 「なかじきり」と鴎外の自己認識
2 「礼儀小言」の近代文明論
3 「空車」について
4 社会問題と賀古鶴所宛書簡をめぐって
5 遺言状の問題
第5章 鴎外と近代日本
1 鴎外文学の全体像の枠組みについて
2 鴎外の歴史観
3 鴎外的問題と鴎外的生き方
4 鴎外文学の思想と近代日本
参考文献
あとがき
鴎外著作索引/人名索引
内容説明
本書の特色は、鴎外の個々の作品を鴎外の全体像との関連において考えるという態度である。われわれはようやく鴎外の意図を正しく解明した研究に辿りついた。鴎外文学とは何か。その本領、神髄はどこにあるか。
目次
序章 問題と予備的考察
第1章 啓蒙とロマンチシズム
第2章 近代性の意識
第3章 鴎外文学の成立
第4章 晩年の思想
第5章 鴎外と近代日本
著者等紹介
池内健次[イケウチケンジ]
1929年福岡県生まれ。1954年京都大学文学部哲学科卒業。東大寺学園中学・高校教諭、天理図書館司書、1990年定年退職。現在、哲学の研究・著述に従事
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