出版社内容情報
【内容】
本書は、文化史・社会史の観点から帝国主義研究を一新して今日もっとも注目されるイギリス帝国史家によるサイードのオリエンタリズム論に対する体系的な批判である。著者は、まず歴史と理論の面からサイードとサイード以後のこの論争を批判的に検討し、次いで、文化史の素材としてイギリスを中心とした絵画、建築、デザイン、音楽、演劇を選んで、順次検討している。文学以外の諸芸術や民衆文化を取り込む著者は、サイードの文学・思想やエリート文化への偏重、西洋と東洋の二項対立的な「他者性」の理論に代わる、東西間の「文化的相互参照」の理論を提唱している。とりわけ「エリートのオリエンタリズム」と区別された「民衆のオリエンタリズム」の位相では、積極的な意味での東西の折衷的な文化が求められたこと、帝国主義の最盛期ですら東洋への敬意が示され、東洋から諸芸術の着想を得ていたことを明らかにしている。
【目次】
図版・挿図一覧
序 章
第1章 「オリエンタリズム」論争
第2章 オリエントと文化と帝国主義
第3章 絵画におけるオリエンタリズム
第4章 建築におけるオリエンタリズム
第5章 デザインにおけるオリエンタリズム
第6章 音楽におけるオリエンタリズム
第7章 演劇におけるオリエンタリズム
結 論
訳者あとがき/索引
内容説明
本書は、文化史・社会史の観点から帝国主義研究を一新して今日もっとも注目されるイギリス帝国史家によるサイードのオリエンタリズム論に対する体系的な批判である。著者は、まず歴史と理論の面からサイードとサイード以後のこの論争を批判的に検討し、次いで、文化史の素材としてイギリスを中心とした絵画、建築、デザイン、音楽、演劇を選んで、順次検討している。文学以外の諸芸術や民衆文化を取り込む著者は、サイードの文学・思想やエリート文化への偏重、西洋と東洋の二項対立的な「他者性」の理論に代わる、東西間の「文化的相互参照」の理論を提唱している。とりわけ「エリートのオリエンタリズム」と区別された「民衆のオリエンタリズム」の位相では、積極的な意味での東西の折衷的な文化が求められたこと、帝国主義の最盛期ですら東洋への敬意が示され、東洋から諸芸術の着想を得ていたことを明らかにしている。
目次
第1章 「オリエンタリズム」論争
第2章 オリエントと文化と帝国主義
第3章 絵画におけるオリエンタリズム
第4章 建築におけるオリエンタリズム
第5章 デザインにおけるオリエンタリズム
第6章 音楽におけるオリエンタリズム
第7章 演劇におけるオリエンタリズム
著者等紹介
平田雅博[ヒラタマサヒロ]
1951年青森県生まれ。1977年東京大学文学部卒業。1983年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位修得退学。日本学術振興会奨励研究員、愛媛大学法文学部講師・助教授を経る。現在、青山学院大学文学部教授
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- 電磁波工学の基礎