出版社内容情報
【内容】
能楽、歌舞伎、茶道など日本の伝統とされる芸術の精髄をさぐるとともに、明治以降西洋のもたらした美の衝撃を日本人がいかに理解し、咀しゃくし、新しい<日本の芸術>を模索してきたかを人物論的に解いていく。
【目次】
第1部 伝統の視点から
日本の美学
<忠度>を読み解く
歌舞伎と文楽
不完全なものの崇拝
いけばなの美学
文人画の変容
狩野派の画論
「散らし書き」考
武富威亮の音楽論と筑紫箏の成立
第2部 近代化の視点から
実学としての美学
天心の憂愁
坪内逍遥の文学・演劇論
演出としてのロシア
伊庭 孝─現代を予知した音楽学者
高村光太郎と近代彫刻
柳 宗悦悦の民芸思想とその位置
「″芸術論論″としての西田哲学」再考
大西克礼と講壇美学の特色
保田与重郎と日本型「教養」
内容説明
近年とみに欧米諸国で日本の美学についての関心が高まっている。しかしこの関心が、かつてのような単なるエキゾチシズムに由来するものでないことは明らか。本書は、加速的に進行しつつあるインターカルチャー世界に対応することができる、新しい「日本の美学」の可能性を探る。
目次
第1部 伝統の視点から(日本の美学―意味の構築;“忠度”を読み解く―能における「作意」の把握をめざして;歌舞伎と文楽―近松門左衛門から和辻哲郎までの間;不完全なものの崇拝―茶の湯論;いけばなの美学 ほか)
第2部 近代化の視点から(実学としての美学―西周による西洋美学受容;天心の憂愁―その美意識の無名性;坪内逍遙の文学・演劇論―ハムレットにしてドン・キホーテたること;演出としてのロシア―小山内薫のインターカルチャリズム;伊庭孝―「近代化」のなかにあって現代を予知した音楽学者 ほか)
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- 和書
- 歴史というもの