出版社内容情報
【内容】
南北戦争、ダーウィンが提起した進化論以降、アメリカの風土は一変する。大陸横断鉄道の完成、フロンティアの消滅、科学文明の発達、資本主義社会の形成、移民の急増は、アメリカ社会を大きく変革した。伝統的なロマン主義からリアリズムへの移行、自然主義文学の台頭や女性作家たちの進出、児童文学の黄金時代の幕開け、さらには今日の多文化主義を予感させるマイノリティ作家たちの登場は、文学的風土も大きく変えていった。本書では、このような時代の変化を小説はどのように捉えていたか、そしてその意味はなんなのかを検証する。
【目次】
序 激動の時代とその文化的意味
I 廃墟からの出発
アメリカの過去と未来/二つの物語/ある「ニューヨーク物語」
II 新しい人間観の創造
「勇気」の解体と再構築/都市とワンダーガール/浮いている歯の話
III 共和国の夢
陽気な孤児の冒険/子どもに託した夢の跡/夢の国の陰で
IV 女性たちの神話
広告する女/「天使」が死んだあと/母性の光と影
V 多文化時代の予感
ブラック・フェミニズムの先覚者/アメリカ!アメリカ!/ニューヨーク黒人芸術家の憂鬱
索引