出版社内容情報
【内容】
現代アメリカ文学の父――愛を求め孤独に苦悩する人びとの姿を描き出した作家の全貌に迫る。
ヴァージニア州マリオンの町が一望できる丘の上に、「死ではなく、生こそが大いなる冒険である」と刻まれた墓碑が立っている。その主、シャーウッド・アンダソン(1876―1941)はまさに、孤独や挫折、満たされぬ思いに苦悩する人びとの生の姿を描き出した作家である。名作『ワインズバーグ・オハイオ』の出版から、80年の時を経た今日、彼の作品はいまなお新鮮な魅力に溢れている。本書では、作家論・作品論を中心に、「20世紀アメリカ作家の父」と評される彼の文学の全体像を浮き彫りにする。
【目次】
序にかえて
第 部 アンダソンの世界
第1章 アンダソンの文学の展開
第2章 アンダソンの創作観
第3章 アンダソンの想像力と主題
第4章 アンダソンの短篇小説
第5章 アンダソンとアメリカ文学
第 部 『ワインズバーグ・オハイオ』の世界
第6章 「現実」に背を向けて
第7章 『ワインズバーグ・オハイオ』の空間と
グロテスクな人々
第8章 晴れた宵にはジェンダーの外部が見える?
第9章 『ワインズバーグ・オハイオ』の独創性
第 部 主要な長編小説論
第10章 トウモロコシが実るまで
第11章 『貧乏白人』の虚構空間とアイロニー
第12章 アンダソンの現代性
第13章 『キット・ブランドン』
第 部 現代作家が読むアンダソン
第14章 アンダースンと小島信夫
第15章 ふしぎな一文
第16章 アンダスンと猫
あとがき
文献案内・索引
内容説明
ヴァージニア州マリオンの町が一望できる丘の上に、「死ではなく、生こそが大いなる冒険である」と刻まれた墓碑が立っている。その主、シャーウッド・アンダソンはまさに、孤独や挫折、満たされぬ思いに苦悩する人びとの生の姿を描き出した作家である。名作『ワインズバーグ・オハイオ』の出版から80年の時を経た今日、彼の作品はいまなお新鮮な魅力に溢れている。本書では、作家論・作品論を中心に、「20世紀アメリカ作家の父」と評される彼の文学の全体像を浮き彫りにする。
目次
第1部 アンダソンの世界(アンダソン文学の展開―土と夢の伝統と未来;アンダソンの創作観―中西部の作家魂と呼応するモダニズム、東洋思想;アンダソンの想像力と主題 ほか)
第2部 『ワインズバーグ・オハイオ』の世界(「現実」に背を向けて―『ワインズバーグ・オハイオ』における「冒険」;『ワインズバーグ・オハイオ』の空間とグロテスクな人びと―「語り」の戦略;晴れた宵にはジェンダーの外部が見える? ほか)
第3部 主要な長編小説論(トウモロコシが実るまで―アンダソンの原点『ウィンディー・マクファーソンの息子』;『貧乏白人』の虚構空間とアイロニー;アンダソンの現代性―『暗い笑い』における価値逆転の構図 ほか)
第4部 現代作家が読むアンダソン(アンダースンと小島信夫;ふしぎな一文;アンダスンと猫)