出版社内容情報
【内容】
本書は、市場社会の構造変化を、様々な研究領域において既成の理論への反省を前提に、現代の状況をとらえなおすことをめざし、経営、産業、情報管理、社会思想、そしてジェンダー、と各分野で斬新な研究を続けている「管理社会研究会」のメンバーにより執筆、編集された。世界的な市場の飽和に直面している現状を把握し、生活のすみずみにまで「商品化」の波が押し寄せた結果として、失業、性差別、過疎、環境問題、いじめといった社会問題が明確に浮上している。学術的完成度に加え、「どのように現象をとらえるか」という普遍的な問題意識を理解できるよう記述された現代社会科学入門書。
【目次】
はしがき
序 章 現代資本主義の管理体系(篠原三郎)
第1部 市場社会の現在
1. グローバル経済化と「構造改革」(宮崎信二)
2. 日本的経営の現代性(中村共一)
3. 新聞の社会面をジェンダーで読む(熊谷滋子)
第2部 市場社会の課題
4. 「管理の二重性論」と物神性論(篠原三郎)
5. 市民事業論の可能性(馬頭忠治)
6. 文化のマーケティング(宮崎 昭)
7. 資本主義と女性(篠原三郎)
第3部 市場社会の哲学
8. 情報化の今日的展開と人間状況の変容(竹内貞雄)
9. グローバル情報社会化と人間関係(重本直利)
10. 物象化とシティズンシップ(竹内真澄)
内容説明
世界的な市場の飽和に直面している現代、生活のすみずみにまで「商品化」の波が押し寄せた結果として、失業、過疎、性差別、環境問題、いじめ、といった社会問題が明確に浮上している。本書はそうした市場経済の構造変化、市場社会の危機的状況を見据え、既成の理論への反省を前提に、問題の根源を市場経済システムの限界に求め分析し、社会を再生するためにいかに市場をコントロールし、社会に「埋め込んでいく」のかという課題を提起する。学術的完成度に加え、「どのように現象をとらえるか」という普遍的な問題意識を理解できるよう記述された、現代社会科学入門。
目次
序章 現代資本主義の管理体系―市場社会と管理
第1章 グローバル経済化と「構造改革」―「日本型の経済システム」の「改革」
第2章 日本的経営の現代性―過剰労働視座の提起
第3章 新聞の社会面をジェンダーで読む―山一証券自主廃業等をめぐる報道を通して
第4章 「管理の二重性論」と物神性論―「批判的経営学」批判
第5章 市民事業論の可能性―脱産業社会の模索
第6章 文化のマーケティング―「文化大国」への道
第7章 資本主義と女性―家事労働論をめぐって
第8章 情報化の今日的展開と人間状況の変容―「媒介的構造化」を考える
第9章 グローバル情報社会化と人間関係―「共生」関係化と社会科学の方法
第10章 物象化とシティズンシップ―3つの局面と発想