出版社内容情報
【内容】
英米文学作品において表現されている多様な形態の<家族>を取り上げて,検証,批評することにより家族像のイメージを拡げ,その原像を探る。又多彩な<家族>から新たな問題も提示する。
【目次】
序章<家族の幻景――感情のドラマの余白に 中村邦生
第1部 家族の原像
第1章 「聖家族」像の変遷 江河 徹
第2章 ソローの家――第二の自然としての<住> 野田研一
第3章 家族の神話――オルコットの『若草物語』を読み直す 高田賢一
第2部 関係の中の家族
第4章 『嵐が丘』の家族像――バルチュスの挿絵を手がかりに 久守和子
第5章 「父」の出現
――デフォー、オースティン、コンラッドの作品に現れる父親像 津久井良充
第6章 聖/性域における性/聖家族
――<家族小説>としてのフォークナーの原典版『サンクチュアリ』 笹田直人
第7章 二つの家族の一家団欒――ジェイムズ・ジョイスの「死者たち」 大神田丈二
第3部 変貌する家族
第8章 家族の中の死――家族崩壊のメカニズム 尾崎俊介
第9章 反復-解体-再創造の場としての<家族>
――T・S・エリオットの<家族>論 木下 卓
第10章 貨幣・資本・インセスト――フォークナー的家族を構成/崩壊するもの 林 文代
第4部 家族の深層
第11章 よみがえる幼年時代――オーデンの<私だけの聖なる世界> 太田雅孝
第12章 愛と裏切りの家族――ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の場合 須川いずみ
第13章 母なるものの幻想――『夜への長い旅路』における母と子の肖像 外岡尚美
あとがき
図版・写真出典一覧
索引
内容説明
文学作品において「家族」は、ギリシア悲劇の時代に始まり、近代の感情革命である小説の成立とともにクローズアップされ、やがてその崩壊が取り沙汰される現代においてまで永遠のテーマである。本書は、英・米文学作品において表現されている多様な形態の「家族」を取り上げて、検証・批評することにより家族像のイメージを拡げ、その原像を探る。多彩な「家族の肖像」を描きあげるとともに、常に切実な感情の舞台であり続ける「家族」の新たな問題も提示するのである。
目次
「家族」の幻景―感情のドラマの余白に
「聖家族」像の変遷
ソローの家―第二の自然としての「住」
家族の神話―オルコットの『若草物語』を読み直す
『嵐が丘』の家族像―バルチュスの挿絵を手がかりに
「父」の出現―デフォー、オースティン、コンラッドの作品に現れる父親像
聖/性域における性/聖家族―「家族小説」としてのフォークナーの原典版『サンクチュアリ』
二つの家族の一家団欒―ジェイムズ・ジョイスの「死者たち」
家族の中の死―家族崩壊のメカニズム
反復‐解体‐再創造の場としての「家族」―T・S・エリオットの「家族」論〔ほか〕
-
- 和書
- 超訳日本国憲法 新潮新書