出版社内容情報
【内容】
W.ラーテナウとW.v.メレンドルフの思想形成を緻密に跡づけ、ナチズムを生んだドイツ近代化の諸矛盾と、テクノクラートたちの葛藤を描破した。第九回和辻哲郎文化賞<学術部門>受賞。
【目次】
序論 問題の所在と本書の課題
第1章 ドイツの技術者運動とテクノクラシー思想の形成
第2章 ラーテナウの近代批判―ドイツ・ユダヤ人として
第3章 テクノクラートのユートピア―ラーテナウの社会改革論
第4章 エンジニアの理想主義―W.v.メレンドルフの場合
内容説明
技術的合理性の担い手である技術者、テクノクラートは、なぜナチスに加担し、政治的非合理主義の道具と化して、その野蛮な犯罪の遂行に貢献することになりいたったのか―。一九世紀末葉からワイマル期をへてナチズムへと暗転する激動の時代、W.ラーテナウとW.v.メレンドルフの思想形成を緻密に跡づけ、テクノクラートとナチズムをめぐる問題にメスを入れる。ナチズムを生んだドイツ近代化の諸矛盾と、テクノクラートたちの葛藤を描破した、「ナチズムと近代」の核心を衝く書。
目次
序論 問題の所在と本書の課題
第1章 ドイツの技術者運動とテクノクラシー思想の形成
第2章 ラーテナウの近代批判―ドイツ・ユダヤ人として
第3章 テクノクラートのユートピア―ラーテナウの社会改革論
第4章 エンジニアの理想主義―W.v.メレンドルフの場合
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
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ワイマール期ドイツの研究者による論文集。書名にある「テクノクラート」とは、この本の場合は技術的専門知識を背景に社会や政治に影響力を行使しようと意図する人々、のような意味合い。帝政期、富国強兵のために官によって育成されたドイツの技術者は社会に貢献、主導する意識が伝統的に高かったものの、政財官界の文系人士の優越的支配構造のために下風に立たされ、不満を募らせていた。そこに勃発した第一次大戦により、国家統制的な戦時経済の確立のために技術者のイニシアチブが必要とされ、地位向上の糸口を掴む。これは後のナチスとも重なる2025/03/05
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- 洋書
- ANNA O