出版社内容情報
【内容】
「優しさの文化」に支えられた共生社会をめざして--先駆的な取り組みで知られている北九州市での事例を中心に,誰もが安心して生きられる地域福祉のシステム作りの課題を理論と実践より提示。
【目次】
序章 誰もが安心して生きられる福祉コミュニティをめざして
1 福祉文化とノーマライゼーション
2 地域福祉政策と高齢者保健福祉計画
第1部 高齢者保健福祉計画の再点検
第1章 小規模自治体における高齢者保健福祉計画
1 問題の所在
2 高齢者保健福祉計画の義務化に至る経緯
3 高齢者保健福祉計画の意義と問題点
4 今後の課題
2 児童福祉サービスにおける子育て援助システム
3 母子保健システムの現状と課題
第8章 障害の早期発見と地域療育システム
1 障害の早期発見システム
2 地域療育システムの展開
第9章 地域福祉と障害者の問題
1 統計にみる中高年障害者の問題
2 障害についてのとらえ方
3 施設処遇における未解決の諸問題
4 就労援助における今日的な問題
5 当事者の主体性を支える援助システム
第10章 地域福祉と女性の問題
1 現代社会と女性の地位
2 高齢化と女性
3 少子化と女性
4 働き方の質と量
5 コミュニティ活動と女性
第3部 市民の主体形成と福祉文化の創造
第11章 地域福祉と福祉文化
――福祉のまちづくりが目ざすものは何か――
1 文化の中の福祉文化の位置
2 差別=冷たさの文化構造
3 地域福祉の構造と福祉文化
4 福祉の文化化と文化の福祉化
5 福祉文化への参加と創造
第12章 福祉サービス利用者の主体形成
1 自立性と関係性の形成
2 北九州市に見られる自立の実践
3 自立する主体性の形成
4 生活をトータルに理解し支援する
第13章 地域福祉と社協活動
1 小地域社協活動と住民活動
2 大都市における社協の実験
3 社協は何を目ざすのか
第14章 福祉主体の形成と福祉意識
1 福祉意識研究の意義
2 福祉意識の類型化
3 福祉意識類型と基本的属性との関係
4 福祉主体と福祉コミュニティ形成のために
内容説明
誰もが安心して生きられる社会とはどのような社会だろうか。それは、高齢者のみならず、子どもや障害者、女性を含む地域社会の全住民がライフサイクルの全過程において、心と身体のトータルな発達と社会参加の権利が保障され、共に生き、共に歩んでいくことができるような共生社会であろう。今や共生社会は、将来の選択肢の一つではなく、その創造なしには生活できない緊急の課題なのである。本書は、先駆的な取り組みで知られる北九州地域の事例をもとに、高齢者や障害者だけを対象とするのではなく、全ての人間の一生に起きる様々な社会生活上のハンディに対する適切な援助と予防、そして社会参加の権利を保障できる地域福祉社会の創造を提案する。
目次
第1部 高齢者保健福祉計画の再点検
第2部 トータルな地域福祉システムの構築
第3部 市民の主体形成と福祉文化の創造